めくらのオケラ
オケラよオケラ。
深い底の中で生きることに執着する。遥か遠くで光る一筋の光がうざったくて仕方がない。
オケラよオケラ。
クラウチングスタートの様な体勢で、ひたすら生きる希望なんて探してみても、所詮虫けら、俯いたまま心の中を掘り進める。
オケラよオケラ。
暗闇ばかりに好かれてしまった憐れなあいつ。盲目の短距離走こそが人生の全てだと思い込み、命懸けで走る、とことん走る、足の裏の皮が爛れ、骨の定義が破壊され、生物としての名残を全て失っても走り続ける。妄想暴走列車は命の限り走り尽くす。燃料は血か悲しみか喜びか。
オケラよオケラ。
あの子や、あいつや、あの人のように、
美しい無知はスクリーンの裏側を知らない。
それに比べて憐れなあいつ、映写機から伸びるオーロラのような光を知らない。
メッキの剥がれた銀幕にただひたすらに爪を立てている。自分の反影を傷つけていることも露知らず。
オケラよオケラ。
お前は水が無いと一晩も保たない命らしい。
他に何が欲しい?
オケラよオケラ。
生きるためなら死んでも掘り続けるのかい。
オケラよオケラ。
意味など知ろうともしない憐れなあいつ。
盲のオケラ。
それが一等羨ましい。
だいぶ前に書いたオケラの駄文を供養する。
君も土の中じゃなくて、日の当たるとこに出たかったよね。みんなの心の中のオケラみたいなところ好きだよはーと
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