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「歳の神」の炎に思うこと

地域おこし協力隊にったです。

会津地域の伝統の火祭り「歳の神」
かつて多くの町内で行われたらしいのですが
行仁地区において今でも続けているのは桧町だけです。
地域おこしに燃える行仁まちづくり協議会のひとりとしては
参加しないわけにはいきません。

神棚のしめ飾りなどを火の力で浄化して
歳神様を天にお送りする儀式が「お焚き上げ」です。
お焚き上げ歳の神の本番とするなら
もちろん本番を迎えるためには準備が必要です。
そこで会津初心者の協力隊員は決めました。
(朝の設営から翌日の片づけまで、歳の神の全部を見よう)

焚き上げの場まで早朝からすでに除雪された道が

前日から降り積もった雪で白銀の東部公園
桧町の小池区長会長の号令で準備開始です。
道具が運べるよう除雪して道が作られています。

朝から桧町内会のみなさん約20名が参加

初めに広場の真ん中に一本の柱が建てられ
そのまわりに熱を防ぐトタンが敷かれます。
次に柱を藁束で囲み
そこに荒縄で木材を縛り付けます。

雪が降るなか作業は続きます

設営が終わったあと一旦みなさん解散します。
そのあいだに行仁地区の住民のかたが
お札やお供え物、お守り、しめ縄など
燃やすものを持ち寄ってはまわりに括りつけていくのです。

不燃物は持ち帰ってもらいます

再集合した桧町内会のみなさんは
知らずに持ってこられたビニールや金属類など
焼却できないものを丁寧により分け外していきます。
不燃物を燃やし地域に迷惑はかけれないので
本番までにやれることはみんなでやり切ります。

さて。
17時45分になりました。
蚕養國神社の神官さんの祈祷が行われ
そしていよいよ、
焚き上げの開始です。

日が沈みきった18時ちょうどに点火

初めて歳の神にふれた地域おこし協力隊員
高く舞い上がる神の火を見て呟きます。
(炎にあたるっていつぶりやろ?)
そうなんです。
会津に移り住むまで長く大阪にいましたが
間近で燃え上がる火を見ることなんてなかったのです。
そしてはたと気づきます。
炎には暖かさとともに不思議な力があることを。
炎は、体だけじゃなく、心も暖かくしてくれるのです。
そして心の底から思います。
歳の神来てよかったと。

無病息災を願う炎

高く燃え上がる炎を眺めながらふと思い出します。
ファンを魅了したプロレスラー「アントニオ猪木」
燃える闘魂」と呼ばれていたことを。
闘う魂が燃えていたことを。
そして入場曲が「炎のファイター」だったことを。
燃える炎は、人に力をくれるのかもしれません。
(このくだりいるか……)

消防隊員も加わり19時きっかりに消火

最後にはみんなで雪をかけて火を消しましたが
(もっと行仁地区を盛り上げなければ)
そんな熱い思いはなかなか消えそうにはありません。

会津若松に住んだからこそ出会えた神。
「歳の神」参加は会津初心者にとって貴重な体験となりましたーー。

翌日は炭を運んで後片付け

さて。
次の日早朝から町内会のみなさんは再集合。
東部公園の広場をきちんともと通りにします。
遠足は、家に帰るまでが遠足。
歳の神は、後片付けが終わるまでが「歳の神」なのです。


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