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行仁の歩き方⑪蚕養町編

地域おこし協力隊のにったです。

実は、会津若松に来て最初は読めなかったんです。
「こがいまち」
もちろん会津で読めない人はいないでしょう。
弘仁2年(811年)創建の蚕養国神社(こがいくにじんじゃ)が
由来となっている歴史ある町名です。
そんな由緒ある古社の名がついた「蚕養町」を歩きます。

行仁地区で唯一の中学校

行仁地区西北端の中学校門にある二枚の石プレート
「福島県会津若松市蚕養町11番1号」と
「福島県会津若松市立第一中学校」の石板の間を
スタートラインとして蚕養町を歩きます。

住宅街である行仁地区の中にあって
蚕養町は本当に緑が多い町なのです。
鬱蒼と生い茂る木々に囲まれる蚕養国神社
緑に囲まれた町との印象を作っています。

何本もの大木が根を生やす蚕養国神社境内

そのなかでも特に目を引くのは天然記念物の「峰張桜」です。
樹高14メートルに根元幹周8メートルは圧巻ですが
なんといっても樹齢1000年にはビックリ仰天です。
枕草子」が書かれたころから生えているということですよ。
いったい何人の会津人がこの木の桜の下で
「春はあけぼのやねぇ」なんて言いあったことか。

福島県緑の文化財指定であるエドヒガンザクラ

緑あふれる蚕養国神社をあとにして歩くと
第一中学校などの裏手を流れる「別川」に沿って
小川のせせらぎ音が耳に届いてきます。
地域緑化モデル事業により約40年前に完成した遊歩道「別川緑道」が
またたくさんの緑に囲まれて通っているのです。

昭和60年完成の別川緑道

ここまで歩けばもう十分緑に囲まれた町だとわかっていただけましたでしょうか。
ところが蚕養町
まだまだなんのこれしき。
まだ終わるわけにはいかないんです。
別川沿いに丸太で組まれたカフェ「珈琲館ヒロ」が
道路わきに目立たずひっそり立っているのですが
生垣に囲まれたいかにもログハウス風のつくりは
緑の町にこれまたピッタリ合っているんです。
店内に入るとそのウッディな暖かさに
なんともほっこりした気持ちになること請負です。

ログハウス風都会のオアシスカフェ

カレースパゲッティを食べて満腹になったのですが
帰りに何かをやり残したような気になり
もう一度蚕養国神社に寄ってみました。
おっと危ない危ない。
樹齢千年の峰張桜の後継者ならぬ「後継木」を
危うく見逃すところでした。
植えられてまだ10年余りだそうで
細く頼りない幹はまだ人の目を止めるほどではないですが、
いつか人を幸せな気持ちにさせる大木に育ってくれるでしょう。
ここにも蚕養町に住む人々の熱い思いが見えます。

峰張桜の近くに植えられたまだ力弱い後継木

それにしてもなんともすごいじゃないですか。
神木だけあってしっかり次の世代のことまで考えてるんですね。
会津什の掟で子弟教育に力を入れた会津藩の武士道精神が
こんなところでも生きているのだと感動ひとしおのにったでした。

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