相手に反対されたときどうするか?
全体最適の行政マネジメント研究会 行政課題解決セミナーレポート
2023年2月18日 オンライン開催
ワークショップレポート
今回のワークショップでは、都内小学校のPTA副会長の林さんが普及に向けて取り組んでいる、学校生活をサポートする情報シェア連絡網「えがおのわ」について議論しました。
林さんは、PTAの現状と目標の間に大きなギャップがあることを経験し、このギャップを解消してPTA本来の「学校をより良い場所にする」理想のために活動する組織に変えたいと、「えがおのわ」の導入にチャレンジしました。
しかしながら、「えがおのわ」導入について他のPTA役員に相談したところ、強い反対に遭って活動がストップしてしまいました。今後、どのようなアプローチで取組を進めていけばよいか、悩んでいる状況でした。
(岸良)クラウドを作ってみましょう。
ワークショップが始まりました、岸良さんのファシリテートのもと、TOC流の対立解消ツール「クラウド」を作っていきます。
(岸良)「えがおのわ」を導入しないことの要望はなんでしょうか?相手の要望を考えているとき、相手の立場を考えていることになる。対立する相手でさえ、相手の事を考えてあげられる人を「人格者」といいます。
みんなで相手の立場で考え、「これ以上みんなを忙しくさせないでほしい」という要望が言葉になりました。
(岸良)「「えがおのわ」を導入する」ことで、「これ以上みんなを忙しくさせないでほしい」という相手の要望を満たすことになるのか?
相手の要望を満たすにはどのようなアクションにすればいいのか、みんなで知恵を絞ります。「えがおのわ」にみんなを楽にするコンテンツを入れ、小さな成功を積み重ねていくことが重要ではないかというアイデアが出されました。
(岸良)多くの方々が、目標が明確になっていない。ですが、感情で走っている状況は目標を議論するのが難しい状況です。こういう時は対立を解消しながら、目標をつくるというやり方もある。
最後に、相手と自分の共通目標を「保護者・先生のみんなが楽で、もめごとがなくスムースに進む子ども・地域・保 護者・先生をつなげるPTA活動」と設定。共通目標があれば対立の解消は可能だと希望が見えたところで、ワークショップが終わりました。
今回の学び
反対された時、「この人は分かってくれない」と人のせいにしてしまいがち。そんな時こそ、TOCの信念の1つ「people are good」に立ち返って、相手の反対する要望を考えることが、対立をブレークスルーに変える第1歩。日常の対立において、TOC流の対立解消ツール「クラウド」を使って訓練することで、相手の立場で考えるスキルが身に付くので、「実践あるのみ」だと学びました。
講師・ファシリテーター
岸良裕司
株式会社Goldratt Japan CEO。全体最適のマネジメントサイエンスであるTOC(Theory Of Constraint:制約理論) をあらゆる産業界、行政改革で実践。最先端のTOC知識体系の、「楽しく」、「わかりやすく」、「実践的」な講義と、参加者をワークに集中させるファシリテーションから、たくさんの学びが得られると大好評である。
全体最適の行政マネジメント研究会
全体最適のマネジメント理論TOC(制約理論)を活用し、「お金を使わず 知恵を使って」を合言葉に、行政、民間の参加者が垣根を越えて、日本をよくするために知恵を出し合い、問題解決に取り組むNPO法人。そのセミナーは、身近な行政課題を題材に、TOCを実践的に学べる場となっている。