絵師の金蔵さん=絵金。
本人が言ったのではなく、周りが言っただけ。
生まれ育ったのは高知城下・新市町。現在は『はりやま町』と呼ばれているところ。
小さいころから、とにかく絵が上手かった。
父親の仕事は髪結い。
本来なら、父の後を継ぐはずが、絵が余りに上手かったので町内の絵師に絵を習う。
それでは物足りず、土佐藩の御用絵師にも学ぶ事になる。
さらにそれでも物足らず、藩主の娘が江戸へ行くときの駕籠かきの名目で江戸へ行く。
そこで、江戸で活躍する別の土佐藩御用絵師の元でに3年の間修行。
帰国すると、土佐藩家老の御用絵師になる。
物凄い出世。
お金が入る。
藩医の林姓を買い取り、林洞意(とうい)となる。
成り上がりに成功。
32歳のとき、林姓も御用絵師の身分も剥奪され、さらに城下を追放。
ここの理由がよくわかっていない。
贋作事件???巻き込まれた???
その後はよくわかっていないが、各所に絵は残っている。
赤岡には叔母がいたので、一時期、滞在していた。
そこに絵が多く伝わる。
数百人の門人がいたとされるが、詳細は不明。
謎の天才絵師。
65歳で逝去。
文化9(1812)年~明治9(1876)年
門下で有名なのは河田小龍、武市半平太。
河田小龍はジョン万次郎を取り調べたお方。
武市半平太は土佐勤王党の盟主。
絵の題材は芝居絵。
浄瑠璃、歌舞伎の名場面が、時にグロく、時にエロく、時に無機質に描かれる。