「適菜適酒 玉茶庵」を振り返って

 金沢で生まれ育ち、慶応義塾大学在学中に松竹シナリオ研究所に入所し、就職はせずアルバイトと売れない脚本執筆生活を33歳まで続けた小生が、次に選んだのは料理の道でした。
 元々子供の頃から包丁を持ち、18歳で独り暮らしを始めた際も糠漬けを漬けたり、友人にフルコース料理をふるまったり、同時に(日本にはまだなかったミシュランを真似て)3点満点の食べ歩きノートも付けたりもしていました。7年で和洋6件の店で(岸朝子さんが常連の店もありました)修業後ワインアドバイザー(後にソムリエ)を取得し、柏に創作料理の店「適菜適酒 玉茶庵」を開いたのが、2002年の2月でした。
 店主とアルバイト1人の小さな店でしたが、幸いお客様に恵まれ、コロナ禍まではそれなりにやって参りました。ただ当初から客年齢層の高い店でしたため、20年を越える頃には当然お客様も減ってきます。地元密着とは言えない隠れ家でしたので、コロナ禍からのお客様の復活、新規獲得はままならなくなり、2023年末をもって閉店の決断を下しました。
 これからは自分が培った経験や知識を生かし、後進を育てられるような仕事ができたらなあと思っております。

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