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「変化し続ける演劇」・・・劇団大樹「ひめごと」


狂言師でもある川野誠一氏が主宰する劇団大樹の本公演を
初めて拝見した。
「ひめごと」・・・魅力的なタイトルである。これだけで興味をそそられる。


開演前に常連客らしき客同士が、舞台を眺めて話し合っていた。

「やっぱりセットは豪華なんだよな」

なるほど、確かに丁寧に作られている。
下手(しもて)に置かれた柿の木の枝ぶりが見事だ。
これは草月流の華道家の方が作り上げているらしい。

俄然、期待が高まった。
美術に力を込められる余裕がある舞台は円熟度が高い場合が多い。
前説も余裕を感じさせるし、受付や客の導引も手慣れている。
静かに開演を待った。

そして、いよいよ開演。

まず、カヤグムという韓国の琴が演奏される。


日本の琴よりも弦が太いのか胴が厚いのか、やや低めの音が印象的。
芝居にうまく溶け込みそうな音色で、今回も劇伴音楽として生演奏された。

その琴の調べに乗って芝居が展開していく。

内容については実際にご覧になって頂きたいので詳細は省くが、
登壇する役者陣は、とにかく丁寧に真面目に芝居を組み立てている。第15回目の本公演ということで、その辺りの経験の多さが
安定した公演になっているのであろう。

戯曲(み群杏子氏の台本)を拝見すると、役者がより深く考察し、役を掘り下げていく事に重点が置かれているようにも読めるが、実際の演出では違ったアプローチをしている。
今回の公演は再演ということで一部加筆されているというから、
このあたりの違いを、会場で販売されている戯曲集と比較してみるのも
一興だろう。

個人的には、工藤世名さんの明るいキャラクターが
モノローグよりも芝居で活きていたのが、印象的であった。
ドンドンはっちゃけて欲しい。

劇団大樹「ひめごと」
西武線東長崎駅 てあとるらぼう にて、18日まで。
その後、配信のアーカイブあり。
出演は
川野誠一 俵一 平田京子 白須慶子 工藤世名 金オル




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