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「物事を批評するのって難しい」・・・お疲れ様です。


私の友人に、とても熱く映画を語る人が何人かいる。
彼らは、古典から新作まで、たくさんの映画を観ていて
その知識は実に多岐に渡っている。

その中の一人が、昨年のワースト映画の一つに、「シン・ウルトラマン」を上げていた。


「映画を知らない人が作った」「社会への批判精神も無い」「映像も見づらい」・・・


そんなことを言っていたかな。

でも、あの映画は、いわゆる映画というカテゴリーより
イベントやお祭りに近いものではないのかな。


「それ」を好きな奴が好きなように盛り上がって
好きなように作って、みんな祭りを楽しんだ。
ただそれだけのことに思える。


確かにカネはかかっているが、改めて高尚な芸術ではないことは、上映開始3分で分かる。(高尚って何だろう?)


そこから、見る者は、「ああ。これはイベントだね」
と定義して、ただ楽しめば良いだけだと思う。
というか、最初からそのつもりで楽しめばよいのに。
そんな事を言いかけて、止めた。
彼らは、全てを同じ土俵で語りたいのかもしれない。
それならそれで良いではないか。


さて、そう考えると、映画評論家などの職業の人は、全ての映画を同じ土俵に乗せなければならないから、大変だろうな、と思う。


もう一つ思い出した。40年以上前のこと。
まだ学生だった頃、好きな映画を心待ちにしていた時に、
先に見た者がその映画を貶しているのを耳にした。
その場で、本気でそいつに食って掛かるほど怒ったのだが、

実際に自分で観てみると、そいつが貶した理由が分かった。


面白くなかったのだ。

巨額の製作費がかけられ、原作通りの出演者たちと
奇麗な特撮CGなど、映画を広告するための要素はたっぷり織り込まれているのにテンポが悪いのに説明不足。退屈で面白くない。


呆然として映画館を出たことを覚えている。
夢から覚めた気分だった。


その時、同じ映画館から出てきた観客の一人が


「いやあ。最高だったね」


と満足そうに友人と話しながら歩いていった。


「この人たちは夢から覚めていないのだろうか」


と思いながらも、同じ作品でも人によって、感じ方が違うのだと、当たり前のことに気が付いた。

結局、作品について語る事は楽しいのである。

見た人ごとに違う価値観や違う視点に、出会える事が、
たくさんの作品が今日も生まれ続けている意味であろう。


ちょっと徒然なるままに。

           おわり



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夢乃玉堂
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