「信じがたき存在」・・・目に見えなくとも信じられるもの。五感で確認しても信じられない物。
『信じがたき存在』
私は最近、二つの矛盾する感覚を覚えた。
一つは、人間は実際に見たことも無い存在を信じることが出来る・・・ということ。
きっかけは、ある雑誌に載った質問の話である。有名な話なので皆さんの中にもご存知方がいらっしゃるでしょう。
それはある女の子からの投書で、
「お友達は『今まで一度も見たことが無いからサンタクローズなんかいない』と言います。サンタクロースは本当はいないのですか?」
という質問だった。
それに対しその雑誌の編集者はこんな風に答えたそうだ。
「見て確かめられなくとも、その存在を否定することはできません。
例えば、『希望』です。『希望』は目で見ることはできません。でも『確かにある』と信じられるでしょう。サンタクロースも同じです。
そのお友達に教えてあげてください。
たとえ目で見ることが出来なくとも、確実に存在するものはある、ということを。」
この話を知ってしばらくして、
私は全く逆の体験をした。
世の中には、話だけではその存在を信じられず、実際に目にしても手に取ってもその存在を信じられないものがある・・・ということを。
それは、『カレーパンサイダー』。
噂に聞いた時には当然信じられなくて、
店頭で見つけた時には驚愕し、ボトルを持っても信じられなかった。
長く握りしめたまま、そう、サイダーが少し温かくなるほどの時間考えて
結局、真実の存在であるかを確かめたくて購入した。
自宅に持ち帰り、封を開けた瞬間。
良く知っているあの香りがした。
一口飲んでまさにお馴染みの「カレーパン」の味。
それがやや甘い炭酸と一緒に口の中に広がる。
鼻に抜ける香りも同じだ。
ただ違うのはパンと具の歯ごたえが無い事。
驚きはあったが、不味くはなかった。
実は私は、同時にもう一本冒険をしていた。
それは、『メロンパンサイダー』だ。
インパクトや味の驚きでは、『カレーパン・・・』には敵わなかったが
それなりのインパクトがあり、誰か友人が来た時には
出してやろうと思った。
そして、冷蔵庫に仕舞いに行くと・・・
そこには、もう一つの『信じられない存在』が眠っていた。
『もみじ饅頭ラムネ』。
昔どこかで購入して、やはり誰かを驚かそうとして忘れていたのだ。
その時私は、いつか来るその時に、笑顔で話すセリフを決めたのだった。
「お昼は、カレーパンとメロンパン、デザートはもみじ饅頭だから」
おわり
この物語に登場するカレーパンサイダー、メロンパンサイダー、もみじ饅頭ラムネは、全て実在します。
決して、ラベルを偽造したフェイクドリンクではありません。
実際に購入して飲むことが出来ます。
ラムネは他にも種類があり、機会があれば紹介します。
調べたら、こんなものが出てきました。
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