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「キャラ化する動物」・・・展覧会「動物の絵 日本とヨーロッパ」


サブタイトルとして「ふしぎ・かわいい・へそまがり」と付けられているが、まさにその通りの展覧会だった。

何が不思議で可愛いくて臍曲がりなのかは、実際にご覧になって判断していただくとして、

私が最も共感したのは、
絵画の中の動物たちが、西洋では風刺の象徴として、
あくまで脇役で使われることが多いのに対し、
日本では動物をキャラクター化し、主役にしていることが多い
という分析である。

例えば、デューラーの「アダムとイブ」では、猫、ウサギ、牡牛、鹿が描かれているが、それは残忍、多淫、重鈍、陰気の象徴として
描かれていて、中心にいるのはアダムとイブの二人である。

一方、日本では鳥獣戯画に代表されるように、
キャラクター化の嵐で、
どの時代でも、ウサギ、カエル、鯉などが立ち上がって
人間さながらの演技を繰り広げている。

これだけ並べて見られると、確かに納得する。

考えてみれば、昨今のキャラクタービジネスでは、「馬」「戦車」「軍艦」など実に多彩なものが、キャラになっている。


今回の展示会、個人的には、鍬形蕙斎(くわがたけいさい)の
省略して描かれている動物群が好きだ。

ある退屈な日に、友人が出す動物名の「お題」を
さらさらっと紙に描いていったものと言わrているが
これが中中、楽しい仕上がりである。

是非ご覧いただきたい。

さらに、キャラ化を意識して書かれたわけではない筈の
徳川家光が描いた動物絵は、
どうしても、新作アニメのキャラデザインをしてたの?
と思わずツッコミを入れたくなってくる。

特に「兎」などは、まるで突然変異させられて
サングラスをかけ、ひげを伸ばして
耳が長いという怪しいオヤジキャラになっている。

突然変異と言えば、
ここ数週間の、感染者の激減は、不思議だ。
もちろん、感染者が減るのは万々歳なのだが、
奇妙にさえ思える。

昔、「アンドロメダ・・・」という映画(原作はジュラシックパークのマイケル・クライトン)があった。

宇宙から持ち込まれた謎の殺人ウィルスが、
一つの村をほぼ全滅させるのだが、細菌学者たちの研究により、
ようやく正体を突き止められたところで、
ウィルスは突然変異によって、無害で全く別の能力を持つものに
変わってしまう。ところがそれが・・・という展開であった。

今回も似たようなことが起こり、
突然変異で全く別の生物に変わっているのではないか、
と深読みしたくなるほどの激減ぶりだ。
このまま無毒になることを祈りたい。

話が脱線してしまったが、「動物の絵 日本とヨーロッパ」は
アニメのキャラクターに突然変異したような、
動物たちの可愛さも堪能できる展示会である。

11月28日まで東京 府中市美術館にて





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