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「半径2mの愉悦」・・・記憶をたどるコラージュ。
「半径2mの愉悦」竹内けい子個展。Roonee247 fine arts
ひとつの人生にはこれほど多くの「ときめき」がある事を感じさせてくれる。
コラージュの作品の個展であるが、他とは違う印象を持った。
コラージュは素材となる物を切り張りして作られる。だからいざ制作をしようとなると一生懸命素材を集める。多いのは雑誌や新聞広告などだ。自ずとそこには、思い立った時から発表までの短い期間で集め組み立てた瞬発性があり、当然作品にも反映される。コラージュは時代を映す、と言われる由縁でもある。
だが、この展示会で見られるコラージュはそう言った既視感の中に新しさを感じられた。
![](https://assets.st-note.com/img/1698204632348-pfortRSKAm.jpg?width=1200)
扱っている素材は、写真、新聞、絵葉書、チラシなどコラージュでよく使われるものもあるが、実家の物置にあった戦時中の新聞、祖母の卒業アルバム、母の学生時代のノート、何語か分からない本、印章(ハンコ)・落款、とそれだけで興味湧くものが、組み合わされている。
注目すべきは、その年月である。
祖父母の時代から母の思い出、自分の経験と連綿と続く歴史を感じさせる。
作者は十数年前から素材集めを意識し始めたと語るが、おそらくは無意識のうちに集めていたものも多いだろう。
捨てずに積み重なって来ていた記憶の断片から、作者の人生が垣間見える。
単純に紙を切り張りするだけではなく、写真用のアプリなども使用しているが、近年よく見られるような、アプリを駆使した3次元的な構成ではなく、
あくまで紙のコラージュを意識した平面構成になっていて、これも心地よい懐かしさがある。
![](https://assets.st-note.com/img/1698204657841-yXFFr54nCR.jpg)
例えば、戦前の演劇雑誌の古い端切れや古い切手などを見ると、この小さな紙はどのような縁で作者の手元に届いたのであろうか、と考察してしまう。
古本屋、実家の倉庫、母の思い出の本棚、それら出会いの瞬間を想像するだけで楽しい。
楽しくなるのは作者の人生の「愉悦」の時間が共有できるからだろう。
是非、作者の半径2mの範囲で味わってきた愉悦を体験して頂きたい。
「半径2mの愉悦」竹内けい子個展
Roonee247 fine artsにて、11月5日まで
東京都中央区日本橋小伝馬町17-9 さとうビルB館4F
JR総武線 馬喰町駅下車 徒歩3分
東京メトロ日比谷線 小伝馬町駅下車 徒歩4分ほか
![](https://assets.st-note.com/img/1698204697156-6dGbjDSimJ.jpg)
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