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「憧憬の記憶」・・・犯罪も無い、悪人も出てこない、だけど、じんわり心に届いて、会場は涙に溢れている。そんな「演劇家族」のお話。
劇団 水中ランナー 第17回公演「憧憬の記憶」
中野ザ・ポケット10月13日(日)まで
35年ぶりに古い友人が出ている事をチラシで知って、観劇してみた。
普段自分が選ばないタイプの芝居を観る機会になり良かった。
以下は個人的な感想なので、御不満のある方、ネタバレを嫌う方は飛ばしてください。
家族で劇団を運営している一家とそこに関わる劇団員たちの物語。
「家族で劇団?」という疑問符も本編の中で上手く昇華している。
芝居は、携帯の通話で、家族の秘密と言うか危機を示していく。
これにより自然に状況を観客に伝えていくのだが、この通話の中にももうひと工夫がされているので聞き逃せない。
芝居は前半良い人ばかりで、キャラクターの見分けに戸惑う瞬間もあり、
ホームドラマが苦手な人は、いつ事件が起こるのかと思う人もいると思うが
これだけの尺を使って日常を描く意味があるのだと、後半になって気が付くのだ。
物語のキーパーソンである「松本さん」が登場すると俄然、緊張感が増す。
というか、それまで何となく絵空事のように思えていたものが
身近なリアルを感じさせる。
「そうそう、普通、そんな風に感じるよね」
と思わされるのだが、実は彼女にはもう一つ秘密があって、
ここで提示されている表情には別の意味もあるのを上手くミスリーディングしてくれる。
その後、家族たちが集まって話をし始めると、目が離せなくなる。
犯罪も無い、悪人も出てこない、少し懐かしい感じのホームドラマ。
だけど、じんわり心に届いて、会場は涙に溢れていた。
唯一気になったのは、長い月日や今そこで発生する汚れた感じ、埃っぽさ、水っぽさが、衣装やセットにもっとあっても良かったと思う。
そう言いながらも、匂いを感じるほど強烈であるのは、
今の演劇美術としては難しいのかもしれない、とも思う。
これは、たいして見ていない自分の勘違いかもしれないので、
まだご覧になっていない方は是非、その目で確かめて頂きたい。
劇団 水中ランナー 第17回公演「憧憬の記憶」
中野ザ・ポケット10月13日(日)まで
チケットは、「ゲキラブ」などで。
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