「24分の1」・・・3 転がり落ちる先は? 連続超ショートストーリー
「24分の1」(3)
最初はただの真面目な人、周りを明るくしようとしているが空振りの多い存在。
。でも今は少し違う。
「塚田課長の温かな手が肩に触れた時、不思議な感覚が私を包み込んだ。
彼の存在が私を安心させ、勇気を与えてくれる。時折見せる弱さや迷いも、逆に彼の人間らしさを感じさせる。あの夜、その温かさを手放すことが出来ずに、朝を迎えてしまった。でも、いけない。いけないのよ。だって彼は結婚してるんだもの」
許されないという思いを強く抱きつつも美晴は、恋に落ちてしまった自分自身を止めることができなかった。
内なる葛藤に苦しみながらも、関係を続けていく選択をした。
禁断の恋に身を委ねることで、心を埋めようとしていたのかもしれない。
塚田は彼女の不安を感じ取り、いつもこんな言葉を口にした。
「本当にいいの?」
美晴は塚田の言葉に憤りを感じたが、同時にもっと近づきたいという願望も抱いていた。
『坂道を転がるように恋に落ちたなら、這い上がる道など見つかる訳が無いわ。引き返す勇気? そんなものとっくに失ってしまった。
それなのに、あなたはいつも「いいの?」と聞いて来る。
責任逃れなのは分かってる。でも聞かないで、もう戻れないんだから』
つづく
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