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「リストラの詩」・・価値観の違い。

「価値観の違い、変化」というものは、いつ変るものだろうか、
何かのきっかけで、ポンっと変わるのか、
すこしずつ、いつの間にか変わっているのだろうか、
それとも常に変わったものは存在していて、ある時、それにスポットが当たるのだろうか・・・。

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「リストラの詩」 作・夢乃玉堂


「もしあなたが、部下をリストラしなければならないなら、
誰を選びますか?」

と飲み屋で知り合った就活中の女子大生に聞いた。

「最も優秀な人」

彼女たちは躊躇なく答えた。

「他所へ行っても食っていけるから、てね」

と理由が添えられた。

最後の「てね」が気になったが、話題はすぐ理想の恋愛になった。

「喧嘩をしない」「尊重してほしい」「出世しなくても少しの趣味ができるくらい稼いでくれればよい」

もっともな理想論が続いた。

だが、出し抜けに、例の「てね」が飛び出した。

「離婚は御免よね、てね」

そうか。彼女たちは、こういいたかったのだ。

「和を乱されたくない」「言いたいことが言えるようなポジションでいたい」
「上に立つ為の努力などしたくない」

そして最後にこう締めた。

「いくつまで、仲良くしていればいいのかな」

彼女たちは入社前から会社をリストラしている。



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こんな価値観が蔓延していたら、それこそホラーである。



#詩 #経済 #世相 #不思議 #謎 #生産性 #リストラ #就活

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夢乃玉堂
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