「相続制度をなくしたら、経済上向き」の仮説をたててみる
相続制度が日本経済において金銭がまわりづらい状況を生み出しているのではないか?ということを考えてみた。(仮説であって事実ではない)
というのも、現在の相続制度は親から子どもに資産が受け継がれるケースがほとんど。親が死ぬのは多くが80-90代、子どもは60-70代なので、若い人にはお金が回らないようになっている。
そして、高齢になればなるほど、活動の幅が狭くなりお金を使わなくなる。旅行も近場で済ませたり、会食も自宅が多くなったりと、若い世代と比べると消費が減る傾向にある。これは、書籍「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」にもそのことが書かれている。
加えて、死ぬまでお金を貯めておいても、死んだら子どもに相続できる安心感がある。だから、消費をしないと経済が回らないということを考えずに済む。貯蓄=正義という構図だ。
この貯蓄=正義という考えが経済を停滞させている原因の一つだと思っている。DIE WITH ZERO に書かれているように、今しかできない体験にお金を使えば、より豊かな人生を過ごせるであろうチャンスを、この貯蓄という正義が潰してしまっている。
相続制度をなくしたら正義感は変わるだろうか?
相続ができなくなることで、資産に対する概念が根本的に変わるはずだ。貯蓄しても子どもに渡すことができないとなると、生前贈与だけでなく、貯蓄というブレーキがない状態でお金を使うことができる。心を豊かにするためのお金の使い方もトレンドになってくるだろう。
そして、是非政府には贈与する相手に応じて贈与税の税率を変更して欲しい。年代が高い相手への贈与は高税率、若い相手(若すぎる相手を除く)への贈与は低税率とすることで、20-30代へお金が集まるようにして欲しい。
20-30代にお金を集めることで、少子化対策にもなる
若い世代にお金が回り不安を無くすことで結婚や出産にも前向きになる。お金は将来の不安が和らいだときにはじめて「貯める」から「使う」にマインドが切り替わるので、先に不安を無くして前に向ける環境をつくることが少子化対策には必要だ。
今回、相続制度をテーマに仮説をたててみたが、大事なのはこれから未来を担う人たちに選択肢を多く与えてあげること。お金を集めて若い人たちに分配するのは、選択肢を与える一つの手段に過ぎない。お金以外にも、仕事や生活の場、学びの場なども不安をなくして選択肢を増やせる環境を提供できるかもしれない。
みんなが、若い人を応援できる社会にしたいですね。
Unsplashのmicheile hendersonが撮影した写真