ベトナムとの架け橋で日本を明るく元気にできるか?
ベトナムのシステム開発会社でビジネスコンサルタントをさせてもらっている御縁で、先日首都ハノイに視察へ行ってきました。現地での交流が主目的でしたが、個人的にはベトナムという国がどのくらいポテンシャルをもっているのか、自分の目で確かめることがもう一つの目的でした。
ハノイ市内は、とにかく交通量が多く、ほとんどの人がバイクで移動している印象。車線があってないようなものなので、クルマに乗っているといろんなところからバイクが現れます。最近のクルマにはセンサーがついているので、走っている間や止まっている間、常に警告音がなるような感じ。こんなにひしめき合っているのに、ぶつからずに移動できるのだから、ベトナムの人たちの運転レベルは相当なものだと思います。
市街地に入るとこじんまりとしたお店が多く、食事をしたり、軒先でお茶を飲んだりでき、自分が思い描いていたベトナムの街を見ることができました。ここまでは一般的に想像していたベトナム像であり、特に驚くこともなく、いわゆる東南アジアの雰囲気に触れている感覚でした。
この感覚に少し変化を感じたのが、自動車です。ベトナムでは日本車が多く走っていて、全体の5割くらいのシェアを持っているようです。市内でもトヨタ、マツダ、ホンダなどはよく見かけました。同行した現地の人の話によると、ベトナムで日本車を買うと関税などの関係で日本で買うよりもかなり高額になるとのことで、自動車の台数が増えることが、ベトナムの経済力を表している気がしました。
特に、最近ではビンファストという国産車がシェアを伸ばしているようで、街でも結構目にしました。しかも全てのラインナップがEVとのこと。2022年はベトナム市場の5%というデータもあるようですが、JETROの記事にも2023年に3万台超を納車とあるので、今年は更に延びてシェアを拡大していると考えられます。
また、市内のいたるところで開発がされていて、高層ビルやマンションが結構建っていました。これもベトナムの経済が発展している証拠だと思います。
今回のベトナム訪問を振り返って、本記事のタイトル「ベトナムとの架け橋で日本を明るく元気にできるか?」の問いに答えるとしたら、イエスでもあり、ノーでもあります。正直この答えは日本人がこの先どれだけ頑張って経済力を高められるか?にかかっていると思います。
ベトナムの平均年齢は32.7歳(2023年時点)と、日本の48.4歳と比較すると15〜16歳くらいの差があり、若い人材が揃っています。日本人との相性もよく、人口も1億人を超えました。今の両国間の経済格差を狭めることなく、円安を脱却することができれば、日本の人材不足にベトナムの人たちが大いに貢献してくれるでしょうが、ベトナム自体の経済成長も凄まじいので、日本が相当頑張らない限りそうはならないでしょう。
ちなみに、2023年におけるGDP成長率は前年比でベトナムが5.05%、日本は1.68%。この数字を見ても両国の経済格差が埋まっていくのは明らかです。
取るべき戦略は、現状の経済格差をギリギリまで活かして、ベトナムのリソースを日本で確保し、まずは日本の経済を上向きにする。日本の経済を上向きにできれば、超高齢化への対策としてベトナムの潤沢で若い人的リソースが支援してくれることでしょう。
いずれにせよ、まず頑張らなければ行けないのは私たち日本人ですね。