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The JOJOLands感想 17話 あの娘のバグズ・グルーヴ その②

あらすじ

自家用ジェット機でCAを侍らせながら豪遊する男がいた。
男の名はハウラー。ジェット機が空港に着陸すると、外には黒服の男達が立ち並んでいた。
男達はドリフィン銀行の者で、ハウラーに直接伝えたい事があるという。
その内容こそ、前回ジョディオ達が遂行したフアラライ山にあるハウラー社の土地の差し押さえであった。
ハウラー社の醜聞を知ったドリフィン銀行は、膨大な貸付金をハウラーから回収するよう決定していたのだ。必ず回収すると言い残し、銀行員たちはその場を去って行く。
急転直下の展開に呆然とするハウラーは、ある予感を思い立ち、ボビー・ジーンに電話をかける。予感、それは「カネの流れのシステムが変わる」ものであった。

一方、ジョディオ達を追うボビー・ジーンとルルと呼ばれた少女は、ジョディオ達のいる病院の駐車場までやって来ていた。
ルルがジョディオ達の狙いはなにかを推理する一方、自分の仕事のみを全うしようとするボビー・ジーンは敵の狙いは何かではなく排除する事のみが重要と一歩引いた態度を取る。
敵の正体が掴めず苛立つルルは追跡していたバンの中にある髪飾りの花を見て「欲しい」と癇癪を起こす。ボビー・ジーンに宥められながらもルルはジョディオ達がMRIを使って『バグズ・グルーヴ』の位置を特定しようとしているのではないかと察知した。

ルル達の追跡が肉薄する中、ジョディオ達はMRIルームでウサギにMRIを見せる。人数待ちがあるMRIではウサギの治療に間に合わないので、ザ・マッテクダサイを使ってMRIを作り出すという手段を取った。
ウサギの意識は既に混濁しており、危険な状態となっている中、ルルとボビー・ジーンもMRIの待合室に辿り着いていた。ルルはそこでジョディオ達の姿を見る。
突然、ボビー・ジーンの持つスマホが鳴った。ハウラーからの通話だった。ハウラーはボビー・ジーンからルルに通話を替わらせ、部外者のボビー・ジーンには秘密でルルに新たに命令を与えた。ジョディオ達が持つ溶岩を回収する事を承知したルルは、ドラゴナの髪飾りの花が先ほど追跡していたバンの髪飾りと一緒だと感づく。
確証はないが、ジョディオ達がターゲットと確信したルルは、ボビー・ジーンに始末を命じる。
ボビー・ジーンがサプレッサー付きの銃を取り出し、スタンド『グローリー・デイズ』の名と共に、ジョディオ達の背後から発砲した。
パコが発砲音に気づき、即座に振り向くが誰もいない。
しかし、眼前には緩やかに動く複数の弾丸が迫り、ジョディオ達は被弾してしまう。

という所で次回に続く。

ラスボス登場?

突然に登場したハウラー社のトップ、アッカ・ハウラー。現時点でのラスボス候補と言える人間だが、そのお披露目は銀行からの取り立てで慌てるという何とも締まらないもの。歴代ラスボスもまぁまぁ慌てる事が多いとはいえ、初っぱなで出鼻をくじかれるボスは初めてではないだろうか。

若い女性を侍らせて調子に乗っている様からもチャラチャラしたパリピ以上の印象を受けず、果たしてこれが悪徳企業ハウラー社のトップなのか……?とギャップを感じてしまうが、そこはジョジョなので初見の印象で全てを決定づけるのは早計だろう。

何より、アッカ・ハウラーは本当にハウラー社のトップなのだろうか?

というのも、前回の話で登記所の警備員が気になる発言をしている。
「あそこの会長はクロだね」という台詞だ。社長じゃなくて会長である。
名目上、社長が会社のトップであるのだが、その社長が退き名誉職である会長に就任する光景は社会で普通に見られる光景だ。

つまり会長とは言い換えれば「前社長」の事とも言える。今回出てきたハウラーが果たして会長なのかというと疑問だ。まず若いし、銀行員が真っ先に訪問したのがハウラーである事も考えると、社長である可能性が高く、その背後に会長である誰かが控えているかもしれない。

つまり、アッカ・ハウラーがラスボスであると現時点で断じる事は出来ないのである。
会社と同じ名前を冠する以上、会長にいるのはハウラーの親類の誰か、順当に考えれば父親か母親が存在していると思われる。
無論、フツーにアッカ・ハウラーが会長でしたという事も有り得るのだが、未だに全貌がハッキリとしないハウラー社、ラスボスという概念に一石を投じた前部ジョジョリオンの事を考えると、安易にラスボスが誰かを決めるのは慎重になりたい所だ。

ルル&ボビー・ジーン

バグズ・グルーヴの本体である少女の名はルル。ボビー・ジーンとの関係は同僚というわけではなく、直接ハウラーの下についているルルと傭兵的な立ち位置で雇われているボビー・ジーンとで扱いに差があるようだ。
ルルとハウラーの繋がりは不明だが、幼い女の子と悪徳企業の接点が見えないので、もしかしたらハウラーの親族なのかもしれない。

聡明ながらも癇癪持ちの少女ルルと、あくまで自分の仕事をこなすだけで余計に踏み込むような真似をしない中年ボビー・ジーン。今までのジョジョで無かった組み合わせでもう好きになってしまっている。

そんな彼らが想像より素早くジョディオ達に接敵、それどころかもう追撃を開始する展開の早さにも驚く。ジョジョリオンのスロースターターぶりとは全く対照的で、今作はけっこう早く終わらせるつもりなのではないかという気さえする。

ともあれ、ボビー・ジーンのスタンド『グローリー・デイズ』がお披露目となった。拳銃が関わっている点は言うまでもなくミスタを連想させる。使っている銃は実銃である事から考えて、銃あるいは弾丸に何らかの作用をもたらす能力であると考えられるが、SBRで銃がサブウェポン的に扱われていた例も見ると、銃が主体となる能力であるとは限らないようにも思う。

弾丸を当てて殺す、という単調な能力であるはずがないので、被弾すればグローリー・デイズの何らかの影響下に置かれるであろう事を考えると、能力を当てるのに一番都合が良い銃を選んでいるだけ、という可能性もある。

とにかく、ウサギの治療前に襲われてしまったジョディオ達。被弾したのは確認する限りジョディオ、パコ、チャーミング・マンであり、ドラゴナはパコに庇われて被弾を免れている。
仮にこれで被弾した人間が行動不能となってしまった場合、危篤状態のウサギは戦力になるはずがないので、ドラゴナの単騎で切り抜けるしかない状況も有り得る。
今作は現状、フルメンバーでの戦いが最初から貫かれており、ここも今までのジョジョとは地味に違う点なのだが、ここに来て個人にフォーカスした戦いが展開されるのだろうか。


展開としては中継ぎのような今話だったが、ハウラー社のトップの登場、早々に襲撃を受けるジョディオ達とスピーディーなギアチェンジを感じさせる話であった。

バグズ・グルーヴとグローリー・デイズ、内と外から同時に攻める今までにない攻撃方法にジョディオ達はどう対応するのか。次話での座組の予想がつかず、安易には語れないので、次号のウルトラジャンプを心待ちにする事にしよう。



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