休符をきちんと演奏する、とはどういう事か
弾いてみた関係の動画で不満点と言いますかものすごく気になるところがありまして。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 22, 2020
大多数の方が演奏しない所、あるいは演奏の前後で身体が止まってるんです。リズムすら取ってない。休符の音を出さない演奏って大事なんです。ボーカルだから余計に思うんでしょうけど。
次のフレーズ弾くぞ、っていうのをボディーランゲージとしてちゃんと作ってほしいんです。というのも人間習慣なので、弾いてみた動画で手元しか映らないからと言って演奏をサボると、その習慣が身についてステージ上でもそうなります。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 22, 2020
動画も舞台ですから、そこはちゃんとやってほしいです(我儘
弾くところが来たので弾きます。終わったのでミュートだけしてリラックスします、は舞台でやる事ではないですよね。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 22, 2020
次弾くところを待ち、構えないと。文字通り待ち構えるんです。間合いをみて、さぁ弾くぞ、弾くぞと。獲物に襲い掛かろうとする猫のお尻のようにリズム取ってほしいんです。
それがボディランゲージなんですよ。休符は休めではないのです。音を出さない演奏なんです。気を抜いて良い場所ではない。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 22, 2020
次弾くぞ、次弾くぞと待ち構えている姿勢が見ている人にわくわくを産み出します。期待感を産むんです。
そういうのが見たいです(我儘
演奏技術はお上手なんですけどね。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 22, 2020
でもそれは見せる舞台ではないので、魅せる舞台にはならないんですよねぇ。
視覚的な楽しさは演奏技術に勝ります。これ絶対。
TLで昨日たまたま丁度よい演奏を見かけたので続き。この方の演奏がちょっと惜しい。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 23, 2020
画面左上、右肩に注目してください。最初弾き始める前は4カウント取ってます。所がブレイクにはいると止まってますね。その後は要る直前で準備運動として若干動きます。https://t.co/B2niub1acd
この4カウントを全編でやる、というのが舞台上での基礎です。これは車に例えるとアイドリングです。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 23, 2020
カウントを取り続ける、リズムに乗り続けるという事がアイドリングで、リズムを取らなくなった状態はエンジンを切った状態です。演奏はアクセルを開けた状態ですね。
お客さんはエンジンを切った車を見に来ているのではなく、エンジンのかかった車を見に来ています。走ったり停車したりする姿を見に来ているのでエンジンを切ってはいけません。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 23, 2020
若干走りがちのタイム感をお持ちなのですが、タッピングでかなりズレているのも途中でエンジンを切ったがために発生している可能性が高いです。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 23, 2020
リズムキープよりも指を動かす方に意識が強い。本当に欲しい所に音を置く意識が弱いためですが、どこに置くべきかはリズムキープしないと解りません。
演奏にも悪影響が出るものですので、休符はちゃんと演奏して下さい。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 23, 2020
悪い舞台はそういう意識の弱さ、小さなスキの積み重なりが生み出すものだと自分は考えています。
具体的にそんな所を指摘するのは自分ぐらいでしょうが、お客さんには言葉に表現できない違和感として伝わっています。
足元では取っているというような反論あるかも知れませんが、舞台上では足元の小さな動きは見えません。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 23, 2020
ステージ上での見栄えを考えるならもっと大きく、身体全体でリズムを取らないと躍動感は伝わりませんし、ボディーランゲージってそういう事ですからね。
この方は演奏への集中力があとちょっとつけばとてもいい演者さんになると思います。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) January 23, 2020
まとめ
舞台論の基礎ともいえる休符の話です。休符は演奏する。これが必須ですが、多くの演者さんが休符で何もしません。待つのではなく音を出していない演奏をきちんとしなければなりません。これは舞台論の最も重要な部分であり基礎となる「舞台上にあるものは全て演出で小道具」の一言に尽きます。
特に弾いてみたの場合は演奏部がアップになりますので、演奏しているかしていないかは顕著に現れます。音楽なのでほとんどの人が耳で正しければよいと思い込みますが、動画は画です。人間は視覚動物である以上、視聴者には耳よりも視覚が優先されます。
この辺りはライブでも良く誤解される箇所で、演奏が上手ければステージはいい物という大きな誤解と同様に、演奏が良ければ動画もよいという大きな誤解が定着しています。しかし、字が上手い人の文章が上手いとは限らないとの全く同じで、文章が面白くなければならないのです。しかし演者さんはなぜか字の上手さばかりを競い技術を競い、肝心の文章の中身、舞台の中身を良くしようとはしません。ここが根本的にズレている箇所で、ここに目を向け向き合わない限りは舞台は良くなりません。休符の演奏はこの第一歩でもあります。