JASRACと音楽教室の裁判について。逆に学校の授業でも徴収すべきというご意見につきまして

 音楽教室からの徴収の件につきまして、むしろ学校での授業もちゃんと徴収したらいいんじゃないかと言うご指摘が有りました。非常にレアなご指摘ですが、とてもよいご指摘と思いましたので今回取り上げてみました。

 確かに他の財産と比べても著作権には異質な部分が有ります。ほぼ全てにおいて他人の財産を利用する際には理由がどうであれ許可を得るか対価を支払う必要があります。

 例えば学校の授業で実際に使われる教科書も代金が必要ですし、文房具などを購入する際にも「学校で使うから」という理由で無料で持って行って良いものではありません。時計だったり、黒板消しや映写機、パソコン、水道代に電気代など教育を目的としたものであっても色々と支払いはある訳です。

 そんな中、著作物の利用にはわざわざ法律で教育での利用についてはと制限が加えられています。(私的利用などその他にも例外は有りますが詳しくは関連からご確認願います)

 これは著作権がベルヌ条約をベースにしているためで、ベルヌ条約のストックホルム改正条約において学校の教育では無償で使えるよう便宜を図りましょうと言う事になりました。政府の発表によりますとこれは「時代の進展に即応したものとするとともに、開発途上国に著作物利用上の便宜を与えることを目的として」改定されたとのことです。詳しくは下記のリンクをご参照ください。

 重要なポイントは、著作権というものが日本国内のみで完結する性質のものでは無いという点です。特に最近はデジタルデータの普及で作品そのものは国境を越えやすくなりました。一国で守ろうとしても守り切れるものではありません。よって国際社会で足並みをそろえて、権利をお互いに守っていく性質のものです。この点を浮かび上がらせると言う意味において非常によいご指摘でしたので今回取り上げました。

 私的複製の保証や映画からの徴収などについて説明する際にも出てくるかと思いますので是非覚えていただけましたら幸いです。

▼関連
著作物が自由に使える場合@文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html

著作権制度の改善@文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1317869.htm
 ベルヌ条約等については上記参照

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利用楽曲:Coconuts
作曲:シャケは君の胸で眠る。
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