JASRACが闇金のような金利で調停への出頭を脅している、という件について。メモ
JASRACが再び音楽使用料未払い(未加入)事業所に対して調停を大量に提起している模様。しかも闇金並みの延滞遅延損害金(利息)を付けて請求。調停に確実に出頭させる為の手段と思われる。前よりもさらに悪質になってる。過去の報道で僕の店を探して相談に来られる事業者居てこの事を知った。
— 齋藤弘毅@BAR SUIKYO (@kohki_barsuikyo) July 12, 2020
コメントしましたが、延滞金店舗2軒で6年間でウン百万円とのこと。ご関心おありでしたら当該店舗ご紹介します。カラオケ有りの店だから高くなります、という理由だそうですが、ちょっとね……スゴないですか💦
— 齋藤弘毅@BAR SUIKYO (@kohki_barsuikyo) July 12, 2020
カラオケ有りの2店舗に6年間でウン百万。闇金並みの利息付きというお話なんですが、実際の所どうなのかなと試算を出すだけ出して見たので記録を残します。
月賦の場合
カラオケ有りとのことですので、恐らくは社交場の料金体系になるかと思います。
— GY.Materials◆7/19 ノルマゼロ 70%バックライブ@西九条ブランニュー (@GYMaterials) July 13, 2020
最低でも月8000円、二店舗で月賦16000円。年利14%で72ヶ月(月30日計算なのでやや安くなります)で算出しました。専門家の方との相談時の資料の一つになれば幸いです。 pic.twitter.com/K7HlZ6aWuR
年利14%で、一番安い面積での包括であっても170万は超えるであろうという試算が出ました。ただ、この試算について以下のご指摘を頂いています。
・債権訴訟ならだいたい5~8%
・包括契約ではなく一曲ごとでの計算にならない?
ファンキー末吉氏との裁判を参考にしてみる
実際に社交場で同じく2店舗、6年ほどの営業でJASRACから未払いで訴えられたケースとして、Live Bar X.Y.Z.→Aの裁判が有りますのでそちらを参照してみると以下のような感じです。
▼参考資料
平成25年(ワ)第28704号著作権侵害差止等請求事件
↑東京地裁の一審
「標準単位料金3000円まで,座席数40席までの場合,1曲140円である」
「1曲当たりの使用料を140円(税抜)と認めることが相当である。」
「平成21年5月23日から平成28年2月10日までの原告管理著作物の利用に係る使用料相当損害金又は不当利得金の合計額は212万4412円であり,そのうち,平成27年10月31日までに生じた使用料相当損害金又は不当利得金の合計額は203万0513円である。」
平成28年(ネ)第10041号著作権侵害差止等請求控訴事件
↑高裁の判決
「平成21年5月23日から平成28年9月12日までの1審原告管理著作物の利用に係る使用料相当損害金又は不当利得金の合計額は,本判決別紙4の使用料相当損害金欄記載のとおり,496万5101円である。」
相談に来られたお店はSUIKYOさんと似たような面積とのことです。HPを見る限り20席未満、客単価は1000円という事は無いと思うので2000円か3000円。80円/曲か90円/曲が妥当な所だと思います。
80/140=0.57
200x0.57=114
仮に同等の曲数を使われていたとしても、安く見積もってもやはり100万はこえますし、もし高裁側の判決に従うなら282万になりますから、そもそもの元金(未払い金)が100万以上有るのではないかなと思われます。
所感
「元金不明 x 利息 = ウン百万」をもって闇金のような利息とはやはり言いづらいところですし、この元金相当の箇所に全く別の料金を当てはめる事もまた間違いであると思います。調停に応じてくれれば利息は取らない、という交渉については普通にある話ですのでこれをもって悪とは出来ませんし、全体的に何かの情報がすっぽ抜けている印象は拭い去れませんでした。
取り急ぎ備忘録を兼ねて。