約1年乗った感想 その2
先日、F3購入店に行ったところ、ブルターレRCが売りに出されていて売却された方はXSR900GPを買われるようでした。
F3を味わい尽くしていない(これからも味わい尽くしたい)私からしてみたら信じられない行為だと思いましたが、市場とはそういうものなのかもしれないと思い、続きを書いていきます。
1.快感をどこで得るか
私は以前から「バイクのどこに快感を感じるか」については
スキースノボでエッジを切りながら曲がっていく時の快感
と説明してきました。
バイクで言うと、コーナー出口少し手前からの立ち上がりで加速していったときに得る「曲がりながら加速しながら遠心力を制御しながら得られるG」といえば良いでしょうか。
風を切って遠くへ行くとかではなく、そこの快感を求めているのは仕事的に長期間休んで長距離ツーリングができないからでもあります。
2.F3の快感速度域
F3の快感速度領域ですが、かなり低い速度域からエッジを切ったのと同じような快感があります。
これは私のある日の「緩めのジムカーナ的練習会」の走行画像です。
平嶋夏海氏なんかと比べると随分とゆっくりでバンク角も浅いですが、それでも立ち上がり加速時にスノボのような快感があります。
そして先日、GSXS1000、VFR800Fの方々と「イエローカットはしないが譲ってくれたら先頭に出る」という速度域のツーリングをしましたが、そこでもかなりの快感がありました。
周りの方から「SSでこの速度は物足りないでしょう?」と問われましたが私としては後輪がエッジを切ってグイグイ曲がって行くような感触を得ていたので逆に「ほかのSSはどんな無茶な速度をだしているのか?」と思ってしまったほどです。
3.MVの売りのひとつ
どうやら低い速度域からでも快感を感じさせようという車体構成にしているようです。
こちらの7分43秒あたりからそういった話をしています。
実際に私もそれを感じていて、ソロツーリングでもマスツーリングでもイエローカットをしないが譲ってくれたら抜くようなツーリングでも後輪がエッジを切るような快感を味わうことができました。
その感覚(=快感)をずっと求めてバイクに乗っていましたが、それが感じられる度合でいうと、MVアグスタが最も快感を感じられました。
次点でTRX850あたりでしょうか。
そう考えると、私が下手だったために快感度が高いリーズナブルマシンTRXを早期に手放したことが悔やまれます。
4.オールレンジとは違うかもしれない
なんだかんだで私の前オーナーは1880kmでF3を手放しています。
事前情報として「サーキット走行歴」が示されたことと、私が購入する時点で車検切れだったことから、2019~2020年に購入して1880kmサーキットで楽しんだ後、私が乗るまで誰も乗っていなかった車両になります。
こんな短距離、短時間で手放すということは、前オーナーのやりたいこととF3の性能のミスマッチが1880kmで露呈したということです。
例の一つはですが、サーキットでのタイムに前オーナーがこだわり始めた結果、F3から得られる快感を味わうよりも「タイムが出るマシン」が欲しくなったといったことが考えられます。
YouTubeのサーキット走行動画を見る限り、ツクバやモテギでタイムを出したければやはり1000ccということになっています。
そういう視点で考えると、快感を得ることとタイムを縮めることのどちらが大事なのか、タイムが大事な方はF3を手放すのではないかと思いました。
もう一つの例ですが、MVアグスタの新型に乗り換えたというパターンですね。
2020年モデルで改良がおこなわれたようですし、2022年からはカラー液晶メーターのような目に見える変化もありました。
富裕層ならばそちらに買い替えた可能性があります。
もしもそうならば、MVアグスタの後輪でエッジを切る感覚はなかなかの麻薬なのかもりれません。
5.このバイクの美点
このバイクの美点は、整備性だとか安定性等といったものを多少犠牲にしたことで得た「フレーム、重心位置、前後サスペンションが作り出す後輪主導で乗った時の快感」にあると思いました。
そしてアマリングが発生するような速度域・バンク角でもその快感を味わうことができます。
その快感は、短期間の街中試乗やYouTube動画では味わえないもので、ある程度の時間試乗して峠道を走らなければ気付かない性質のものです。
その快感を味わいたい方、F3はどうでしょうか?
ご検討ください。