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後輪に乗り続ける方法
私が発信しているような「超初級者向け体験記」を載せているところは少なく、そうするとジムカーナ的練習会への参加者が階段を登り切れずに諦めてしまうような気がしています。
8の字GPで30秒台以下の人たちには常識かもしれませんが、その人たちが既に通過した技術、私と同じような段階にいる人に向けてコツを発信していこうと思います。
今回は前回の自主練で気づいた「後輪に乗り続ける方法とその効果」です。
1.骨盤の上付近の腰部を後ろに丸める
リヤステアという表現に否定的なサイトや記事もあるようでしたが、二輪車が「キャスター」という物理現象を応用した乗り物である以上、人間が操っていくのは後輪(とそれに繋がった車体)であって、フロントタイヤは後輪&車体の動きに影響を受けて動くものです。
そのような中、先達たちは「後輪に乗って操作する」という方法や「リヤステア」という言葉を生み出してきたのだと思います。
ではどうやって後輪に乗って操作するのか。
その一つの方法として腰部を後ろに丸めるという方法があります。
例えば下の図
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のような腰背部が伸びた乗り方は、人間の自然な背骨の形に近いために疲労の蓄積は少なくて済みます。
しかしこの状態では加速していない時に後輪に体重を乗せるのは難しく、特にブレーキ時に腕に力が入りやすくなります。
そこで、膝や踝で車体を挟みながら腰背部を後ろに丸めるようにすると
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ブレーキング時でも後輪に体重を乗せ続けることができます。
ただし、この乗り方には欠点があり腰背部の疲労の蓄積が早くなります。
白バイ隊員の知人も、この乗り方を「競技などのここ一発では必要」だと認めるものの、常時この体勢では腰背部が早期に疲れてしまうと教えてくれました。
2.疲労を脚部に分散
そこで少しでも腰背部の疲労を他の部位に分散してみるべく色々試してみました。
その結果、究極のセーフティライディングさんでも言及されていた「足首の角度で尻をシートに押し付ける」という方法が有効であると思いました。
ステップに足を置くときにつま先を上の方に向けて膝をタンクに押し付けます。
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図では尻が浮いているようになってしまったがシートにはちゃんと座る
その状態で×印のところをタンクに押し付けます。
次につま先を下げて踵を上げていきます。
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その時にタンクに接した膝をタンクに密着させていると、膝でタンクを上に引き抜くような動きになります。
タンクを上に引き抜こうとするから、その反発としてステップに足が押し付けられ、シートにに尻が押し付けられます。
このようにして尻をシートに押し付けた場合、腰背部の丸め方を弱めても尻をシートに押し付け、後輪に乗り続けることができます。
3.減速Gの受け止め方
後輪に乗り続けることを困難にするのがブレーキ(減速)です。
漫然とブレーキを掛けた場合、減速Gが全身にかかり、後輪に乗り続けられなかったり、腕でハンドルを抑えたりすることになります。
そこで、できるだけ減速Gをタンクに受け止めてもらいます。
1や2で書いた方法論等をつかって減速Gを骨盤~膝に流し、流した減速Gをタンクに受け止めさせます。
すると自分の上半身はそのままでバイクと骨盤から下が前傾して沈んでいるような形になります。
この体勢は上半身のリラックスがキープしやすいため安心感も高いです。
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青矢印はバイクが沈む方向のイメージ図
ここからバイクをバンクさせるときもブレーキを丁寧に放しながら減速Gの向きを前から右(左)に移していくようにすると、勝手に切れていくハンドルに力をいれてしまうことを防げますし、ハンドルを切らせておくから急な倒れこみも起きにくくなります。
以上が前回の自主練で気づいた「後輪に乗り続ける」方法です。
ジムカーナで速い人は既に実践できているかもしれません。
安定して回ることに自信がない方、私と一緒に安定を積み上げていきましょう。