【読書】ジョン・スコルジーの 怪獣保護協会 を読む
怪獣保護協会
ジョン・スコルジー
2023年8月10日発行
おもしろい おもしろい
Monsterではない Kaiju だ
ゴジラを始めとした日本の怪獣たちへのオマージュ作品だ
かつて発行された「ウルトラマン研究序説」を補完、補強できるだけの考察が含まれている
著者自身が怪獣好きであることもよく伝わってる
コロナ禍が始まった2020年に一年かけてまとめようとしていた中、コロナでの生活や心の変化は大きかったようだ
2021年に入って契約していた出版社にその長編小説のキャンセルを申し出たそうだ
コロナのせいで作家生活も危ぶまれる状況だったそうだ
そこに舞い降りてきたのが、この怪獣保護協会のアイデアだったそうだ
主人公のジェイミーもコロナ禍で職を失うところから始まるのだ
アプリ開発会社に勤めていたがケータリングアプリの強化を進めていたのに、コロナ禍で正規社員としては解雇され配達員の契約となった
会社のオーナーは会社自体をUber eatsにバイイングアウトして一躍大富豪になり主人公はウーバーイーツからも雇用されなかった
デリバリー先でスカウトされたのが極秘活度をしているNGOだった
行き先も知らされず破格の給与条件に飛びついた
物理学的には宇宙には並行宇宙がたくさん存在している
そのうちのひとつの並行宇宙にも地球はある
怪獣の棲む地球だ
我々の地球と怪獣の地球だけは核利用が進んだ地球だ
ゴジラもビキニ環礁の核実験で並行宇宙の次元の壁に穴が空いて我々の地球に現れたが適応できずに海に沈んだものと考えられる としているのがおもしろい
怪獣の棲む地球には怪獣保護協会の基地がいくつもある
ホンダ基地のホンダは、ゴジラの映画監督だった本多猪四郎から取ったものだ
基地の周りにも怪獣はいた
タナカ基地(ゴジラのプロデューサー田中友幸から取っている)は樹上に作られていた
生物学者は怪獣や虫などの生息生物を研究し、化学者は怪獣達のフェロモンなどを研究している
他にも物理学者、地質学者もチームのメンバーだ
地上に降りれば虫やヤシガニのような生物が襲ってくる
凶暴で危険な生物に囲まれている
フェロモンを有効に活用して生物に対抗している
怪獣に生殖をさせようとヘリにフェロモンを積んで空中から散布する
成功して怪獣は産卵を始める
野望を持った富豪が、次元の壁を破って怪獣の卵を怪獣ごと人間の地球に奪う
カナダの人が住んでいないエリアだった
怪獣保護協会は、人間の地球に怪獣が入り込まないようにすることも重要な役目だ
チームのメンバーで奪還に挑戦する
見事に奪還し、悪役の富豪は怪獣の寄生体生物に襲われて餌となってしまう
成功したメンバーは表彰され次の任務へと取り組んでゆくのだった
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