我が家と具鷲庵
我が家は中古の家をリフォームして買いました。築50年近いので雨漏りしましたが、直しました。ただ、雨漏りは困りましたが、死ぬほどではありません。
山奥なので庭は広いです。購入直後の庭は除草剤で荒れていましたが、1年後には雑草も生い茂るように。代わりに前の家主の置き土産のシャクヤクも咲くようになりました。庭の手入れは大変ですが、花はきれいです。
キックボクサー現役時代、日々の肉体酷使で疲労困憊。全面土の庭いじりは疲れましたが、アスペルガー特有の没頭によって無心になれました。非日常的な運動で汗水を垂らすと、気分爽快になりますね。
9年前、紹介してもらった外構屋さんと一緒に我が家の庭を工事してから、手入れは劇的に楽になりました。先憂後楽(せんゆうこうらく)というやつです。連日の砂運びで全身筋肉痛に見舞われましたが、精神衛生は良好でした。ちなみに一緒に働いた若手職人は途中で肉離れ。ぶるーと整体院へ治療に来ました(笑)
我が家の販売会社はすでに潰れました。カーラジオでそのニュースを聞いたとき、「まじすか学園!」と叫んだものです。
購入時のリフォームは失敗していました。職人の友人に依頼した床工事のとき、あにはからんや隠蔽(いんぺい)された瑕疵(かし)が露呈されたのです。素人目でもわかる欠陥リフォームでした。
トップは結局出てこず、ナンバーツーも責任逃れの対応。同席した部下も道理に合わないと感じたのか、逆に上司を諭(さと)す始末。彼も最後は私の味方でした。相対する側にも関わらず、有り難かったです。
翌年には空き巣被害にも遭(あ)って金品総額1000万円以上取られました。当日の夜、ソファに寝そべってTVのリモコンをつけたとき、ああ、生活に必要のないモノだけなくなったなあと感心したものです。高価なものは身につける分だけでいいと悟りました。
どうせなら面白いことをしてやろうと思っていたら、四方八方からのご協力も相まってjbstyle.さんのイラストで空き巣記念Tシャツも作りました。本当に有難い(笑)
前の家主は繊維業の会社を営んでいたそうです。在庫を保管していたであろう倉庫もあり、ここは住居としてはデッドスペースになると判断。私は見学のときからこの空間に狙いをつけていました。
倉庫は倉庫なので、人間の住めるような環境ではありません。夏はコンクリート熱が延々と伝わり、夜でも汗だくです。
内緒で買い込んだセブンイレブンの氷をサーキュレーターの前に置けば、部屋もいくらかは冷えるかもと甘く考えて何度か試しましたが、焼け石に水で断念。
ただし、自分は継続の気狂(きちが)いです。10年以上かけて倉庫も改良を加え続けています。まず、タダでもらったと妻に嘘をついて買った安いエアコンのおかげで、人間が住めるようになりました。
次にWi-Fi。仕事もできるようになりました。そして先日は、カリモクのデスクチェアがついに届きました。特にお尻が楽で仕事も捗ります。19Pの具鷲逸品集にも掲載しています。
コロナ禍の影響も大きいです。当時悪の巣窟とも揶揄(やゆ)された東京から帰ったとき、家族と隔離しなきゃと倉庫にいそいそと布団を持ち込みました。そうしたらあまりに寝心地がよくて、結局今も、この倉庫で寝ています。
半地下なので騒音はうるさいはずですが、私は鼓膜を10回以上破っていて耳も悪いので、さほど苦ではありません。耳が悪くても良いことはあります。
今、正面にPCがあり、右に書道スペースがあります。壁には神々の名も含めて書作品がずらっと貼られているので、結界みたいになっているかも(笑)
そんなこんなで私はこの倉庫を、具鷲庵(ぐわしあん)と名づけています。
ということで、今月も盛り沢山の内容でお届けします。まずは恒例のなにとぞグルメ紀行。今月はなんと東京のホテルの朝食6選です。なにとぞ、よろしくお願いいたします。
明るく生こまい
佐藤嘉洋
ブルート通信 vol.190 / 明生人嘉 〜 MyojoJinka 〜 118話