喫茶アミー閉店
名古屋市西区にある喫茶アミーは、2022年12月30日をもって閉店しました。創業51年、この地で一筋、営み続けました。
私は小学校に上がるまで、アミーで生まれ育ちました。朝食はアミーのカウンターで摂る生活。コーヒーは3歳からほぼ毎日飲んでいますが、至って健康です。コーヒー最高!
常連客とは毎日のように顔を合わせていたので、親戚のような感覚でした。一緒に旅行へ行ったこともあるし、結婚式にも来てくれました。
私は店内で週刊誌を観ながら、いろいろな人間模様を見てきました。多くの人と触れ合い、世の中にはいろいろな人がいることを学びました。
マスターの父・憲治もあと数年で80歳。ひょっとしたら100歳までやるんじゃないか、と思わせるような鉄人ぶりでしたが、ここで幕を下ろすことになりました。常連客も年を追うごとに一人また一人と他界しています。生者必滅。
父もいずれは死ぬのでしょう。その前に行きつけの焼肉屋にでも連れて行って、長年の仕事の労いをしたいものです。
結局最後まで、プリンやハンバーグの味にこだわって試行錯誤していたマスターでした。仕事第一の父でしたが、それで良かったんじゃないかと思っています。「亭主元気で留守がいい」という言葉もありますしね。タンスにゴン!
昨年、父とコーヒーの話題になったことがあります。酸味やコクなどに話が及ぶと、
「結局おれはコーヒーの味が美味しいか、不味いかしかわからんのだわ」
と憲治は笑いました。おいおいと思いましたが、確かに一番重要なのは、美味しいかどうかです。 アミーの料理は、シンプルですが美味しいです。
もう食べられなくなるのは寂しいけれど、いつかは必ず来る終わり。
父さん、今までありがとう。お疲れさまでした。100歳までなるべく健康に生きて、ピンピンコロリでよろしく! 生者必滅!
明るく生こまい
佐藤嘉洋