月曜日の抹茶カフェ 青山美智子
「どんな出会いも、顔もわからない人たちが脈々と繋いできた手と手の先なんだよ」
【あらすじ】
マーブル・カフェは月曜日が定休日。
定休日を忘れてカフェの前に来た私は
「マーブル」と書かれたプレートの「ーブル」
が消されその上に「抹茶」と書いてある。
おそるおそる入ってみると
マスターが声をかけてくれた。
お品書きを見ると
濃茶と薄茶しかない。
抹茶ラテを想像していた私は
困ってとりあえず濃茶を頼んだ。
持ってきたのは関西なまりがある和装の若旦那。
一口飲んで、思わず茶碗を口から離した。
苦いってもんじゃない…。
あ~、やっぱり私ってついてない。
マスターが「お菓子を先に食べるんだよ」と
教えてくれた。
仕事が休みなのを勘違いして出勤し
帰るついでに珈琲を飲もうと思ってきたら
苦い抹茶を飲むことになり
私って本当についてない…。
そんなことを呟いたら若旦那は
「それはドジなだけとちがいますか」
えっ?
そうなの?
思い返してみると…。
【感想】
『木曜日にはココアを』の続編です。
今回も12の連作短編集となっています。
『木ココ』(勝手に略す…笑)
に出てきた人が再登場するので
『木ココ』の後に読んだ方が繋がりやすいかも。
今回は京都と東京の話。
青山さんのお話はやっぱり安心して読むことができます。
今回もハートフル。
気持ちと言葉は必ず一緒ではないことが
窺えるお話もあります。
自分の気持ちに正直になることの大切さ。
私は今、自分の気持ちに正直だろうか?
相手に合わせすぎてないだろうか?
そんなことを読んだ後に思いました。
【目次】
1月曜日の抹茶カフェ
2.手紙を書くよ
3.春先のツバメ
4.天窓から降る雨
5.拍子木を鳴らして
6.夏越の祓
7.おじさんと短冊
8.抜け巻探し
9.デルタの松の樹の下で
10.カンガルーが待ってる
11.まぼろしのカマキリ
12.吉日
221ページ
宝島社
2021年9月9日初版
1500円(税抜き)
電子書籍あり
著者 青山美智子
1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。
大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。
2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。
出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。
第28回パレットノベル大賞(小学館)佳作受賞。
デビュー作『木曜日にはココアを』(宝島社)が第1回宮崎本大賞を受賞。
同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』(宝島社)が未来屋小説大賞入賞。
『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)が、2021年本屋大賞で2位を獲得。
著書
『鎌倉うずまき案内所』
『ただいま神様当番』
『赤と青とエスキース』など
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