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【妻に捧げる読書note】センスは知識からはじまる(by 水野学)

センスって、磨けるとは思うけど、知識だとは思ってませんでした。

要点

  • センスとは、普通を知っていること。いいものも悪いものも知っていて、ちょっといいものにするにはこれくらい、とか、ものすごくいいものにするならこれくらい、といった物差しで考えられること。

  • 製品開発時に市場調査から始めるのは危険。人は突飛で新しいものに飛びつかない。100点に対して、101~110点のものに反応するため、市場調査からは突飛なアイデアのものは採択されない。もし市場調査をするなら、見て1秒で決めてもらうような直観に従ったものを1000人など大きな規模でする方が良い。

  • 人は視覚に左右される。どんなにいい仕事をしていても、見え方のコントロールができていなければ、その商品(仕事の成果)は全く人の心に響かない。

  • みんながへえ!と思うものは、ある程度知っているものの延長線上にありながら、画期的に異なっているもの。ありそうでなかったもの。ものを作る人間は、新しさを追い求めながら、過去へのリスペクトも忘れないことが大事。そのために、あまり驚かないけれど、売れてきたものを知識として蓄えておく必要がある。

  • センスとは、客観的な知識に基づく予測。逆に、センスの最大の敵は、思い込みであり、主観性。思い込みを捨てて客観情報を集めることこそセンスを磨くこと。

  • 知識の増やし方

    • 王道から解いていく。王道のものは最適化されているといえる。実は王道のものを決める、ということこそが難しいが、それを考える過程で、多くの良質な知識に触れることができる。また、一度王道を決めてしまえば、基準が決まるので、そこからの予測(=センスの良いもの)を導くことも簡単になる

    • 今、流行しているものを知る。王道の対極のものとして、流行を知る。コンビニの雑誌すべてに目を通すなどの手順で磨くことができる。

    • 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる。知識を集めるというより、分析したり解釈したりすることで、自分なりの知識に精製する。

  • アウトプットを知識に照らし合わせ、センスを上げる。デザイナーからデザインが上がってきたとき、なぜ、そのデザインなのかを質問する。センスは知識の集合体なので、センスの良いデザインには知識的な背景がある。ロゴの成り立ちだったり、色使いだったり、配置だったり。それらの知識を確認し、納得していくプロセスを経ることで、アウトプットのセンスはどんどん上がっていく。

  • 好き嫌いでものを見ずに、「誰が、どんな時に、どんな場所で使うか」を設定する。それを掘り下げていく。いわゆる、ペルソナを作るアプローチが重要。その知識を増やすためには、雑誌が有効である。各年代の女性誌などはペルソナを作るうえで大変役立つ。

  • 「ガラパゴス」で生きている自分を自覚し、大陸に目を向けよう。その意識改革がセンスを磨くことにつながってゆく。

響いた内容

センスは知識からというのがこの本のテーマだが、なるほど、自分が想定していたより深い知識を基にデザインやプロデュースが行われているのだということが分かった。著者は本屋さん巡りが日課だという。本屋さんは知識の宝庫。つまり、センスの源泉。自分も本屋さんが好きなので、この本に従って、センスを磨いてみようと思った。

こんな人に読んでほしい

センスを磨きたい人。


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