アルダーファの3つの欲求説とは?
欲求に関する理論としては、「マズローの欲求5段階説」が有名ですが、その後の実証的研究を受けて、アルダーファという人がそれを修正・整理し、人間の欲求を3つに集約できると提唱しました。
1)生存欲求
物質的・生理的な欲求のすべてをいい、飢え、賃金、労働条件なども含む。
2)関係欲求
自分にとって重要だと思う人々(家族・友人・上司・部下・敵など)との関係を良好に保ちたいという欲求。
3)成長欲求
自分の環境に創造的・生産的な影響を与えようとする欲求。これが充足されると、人間としての充実感が得られるとされる。
アルダーファはこの3つの欲求を整理した上で、基本的には下位の欲求(生存欲求→関係欲求→成長欲求)から満たそうとするが、それが充足されなくても上位の欲求は出現するし、同時にも存在しうると説きました。
生存欲求と関係欲求はある程度満たされると重要度が下がり、より上位の欲求を求めるようになるらしいのです。
そして、これがポイントなんですが、最上位の欲求である「成長欲求」は、満たされてもその重要度は減少せず、逆に増加するというのです。
つまり、労働条件と他者との関係性が満たされると、成長欲求(学び、スキルアップ、キャリアアップなど)が強くなっていき、その成長欲求はどんどん大きくなるんですね。
するとどういうことが起きるか?
下位の欲求で悩む人たちと、成長欲求の中で自己を高め続ける人たちとの差はどんどん開いていきます。
そして学びによって自己を高めれば、経済的・人間関係的・精神的に豊かな環境になっていく可能性が高まります。いま世界で問題となっている格差社会。この理論によりさらに助長されているのかもしれませんね。