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なぜ、おとぎ話の主人公は最初は不幸なのか?

みにくいアヒルの子、人魚姫(王子さまに恋をする)、マッチ売りの少女、親指姫、おとぎ話には共通することがあります。
それは、主人公は最初、何らかの問題があるとか、恵まれてないとか、一般的にマイナスの状態にあることです。あるところに大金持ちで不自由のない王子さまがいました。というところから始まるおとぎ話は無いんですね。

そして最後は、めでたしめでたし、のハッピーエンドで終わります。
つまり、ゼロからのハッピーエンドではなく、マイナスからハッピーエンドなんです。
ハッピーエンドが100点だとしたら、普通から始まったら100点の差ですが、マイナス100点から始まったら、ハッピーエンドは200点の差です。
これが感動を高めてる要因なんですね。
いまの現状がマイナスだと思うなら、100点以上を狙えるチャンスです。

これと同じようなことが「ディズニーランドのゲート設計」にも言えます。
ディズニーランドのゲートは、中の広大な空間を考えると、狭く感じませんか?
開場時は多くの人が並ぶので、それはより一層際立ちますよね。
でも、長い行列に並び、待ちに待って、その狭いゲートを抜けると、一気に開放的な世界が広がります。ようこそ夢の国へ!という感じです
抑圧され、待たされた後に一気に解き放たれることで、気持ちが高まります。
並ばずにゲートを入るよりも開放感が高いんですね。
いわばマイナスから、ゼロを超えて一気にプラスに転じる曲線です。
登山で登頂したときの楽しみも同じです。ヘリコプターで頂上に降り立った人とは、気持ちが明らかに異なります。

つまり、「マイナスをあえて作る」ことで、プラスの効果を高めることができるんです。
だとしたら、この最低点から最高点までの落差をどれだけデザインできるかが人を惹きつけるためのポイントですね。

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