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症状処方という考え方

催眠療法家として知られるミルトン・エリクソンは、手ごわい不眠症を長年患っている人に対し、ベッドに入りある時刻まで眠れなかったら、起きて一晩中、床を磨くことを「処方」したといいます。
その人は、三日目に根を上げて、倒れるように眠り込んだそうです。

問題(不眠)に対し、真っ向からそれを防ごうとすると、つまり「眠らなきゃ」と思うと、余計に眠れなくなるという経験はないでしょうか?

ミルトン・エリクソンの例は、このようなパラドクス的な状況を、別のパラドクスを「処方」することですり替えて解決しているといえます。

このようなすり替えではなく、その症状そのものをあえて促すという「症状処方」というものもありそうです。
例えば、ふるえを止めたかったら、「もっとぶるぶるして!」と促す。
ギャンブルが辞めれなかったら、「ギャンブルだけで生きていけ」と促す。
緊張で困るのなら、「もっとガンガンに緊張して!」と促す。
というような感じですね。

人は「~~~してはいけない。」と思えば思うほど、そうしてしまうという習性があります。
なにかを止めたい、やめたい、という症状や習慣があれば、それ自体をガンガン処方してみる、というのも方法のひとつかもしれません。荒療治ですが。

ですが、医学的なことはまずは専門家に相談することをお忘れなく。

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