読書note
かもめ食堂 / 群ようこ
今年の1冊目の本は、群ようこさんのかもめ食堂です。
この作品が映画化されていたことは読んだ後に知りました。
このような日常をつらつらと書く作品を映画にしても
あまりウケは良くないのではないかと個人的に思ってしまったのですが、
実際に評判をネットで調べてみると想像以上に賞賛されていました。
この作品では、何か大きな事件が起きたり、物事の転換となる
大きな出来事は特に無く、主人公のサチエの日常が流れていきます。
周りからの目には振り回されず、自分の本当にしたいことを着実にゆっくりと
新しい仲間であるミドリとマサコとこなしていく物語だと僕は解釈しました。
この小説、映画が好評である秘訣というか、この作品の醍醐味は、
起承転結が存在しないところだと私は思いました。
ドキドキハラハラするような作品では無く、穏やかな気持ちでスラスラと読めるというところに多くの方が魅了されているように感じました。
日常のあらゆるところに隠れている
小さな小さな幸せに気づかせてくれる作品です。
三人の日本人が大した理由もなくなんとなくでフィンランドに行き、
たまたま出会い、お互いを否定することなく優しく抱擁して迎え入れてあげる
三人の優しさに胸を打たれました。
スプートニクの恋人 / 村上春樹
この作品は、僕にとっての初めて読む村上春樹さんの作品であり、
それが意味するのは、僕が今後村上春樹さんの作品を読んでいくのかを
この「スプートニクの恋人」という作品が命運を握っていた。というわけです。
この作品を読むまでにおける背景は2つあり、
1つ目は、僕が元々好きだったかつ憧れていた人に
村上春樹をおすすめしてもらったということ。
2つ目は、母親と姉に、村上春樹の作品はセックスとセックスとセックスについてしか書いていないぞ。と伝えられたこと。
アンチというわけではないのだと思うのだけれど。
実際に読んでみてどうだったか。
僕はとても感動していた。
一番感銘を受けたのが、村上春樹の言葉のチョイスであった。
何よりそれを感じることができたのは、登場人物が目にしたものを
なにかしらに比喩する表現がなんと言ってもうますぎたのだ。
なかには自分の辞書にはそんなワードは入ってねーよと
突っ込みたくなるようなワードチョイスもあり、
どうやってそれらが思い浮かぶのか気になった。
例を挙げてみよう。
このような表現が出てくるたびの僕は視線を本から天井に移し、
深くため息をつき、日本語の美しさを噛み締めていた。
もちろん、比喩表現以外のところでも
村上春樹の言葉選びのうまさは爆発している。
など、お気に入りの文章をあげていくとキリがない。
母や姉が言っていたように多少はセックスの話も入っていたが、
自分としては拒否反応よりも、どのように表現していくのかが気になり、
全く不快にならずに読むことができた。
結論としてはこの作品はじぶんにはブッ刺さりだったし、
今後も村上春樹の作品を読んでいこうと決心することができた作品となった。
途中から文体が変わってしまったのは
少しでも村上春樹風の文章を書いてみたかったからである。
無論、挫折しましたが。。