[gururi note] a new chapter
3月。終わりと始まりが同時にやってくる季節。gururiにとってもそれは例外ではなく、この3月で4年目を終え、5年目に突入する。
gururiで過ごす1日はあっという間だ。
丸4年とは、そのあっという間を1460日ほど過ごしてきたことになる。こうやってみるとすごい数なのに、なんだかまるで実感がない。
ただ、見方を変えれば、実感がないほどに日々を自分たちの「日常」として平穏に過ごせているということで、沢山のことが変わっていく世の中、改めてその有り難さを身に沁みて感じている。
最近、お店をつくることについて人と話す機会が何度かあった。どれくらいどんなふうに準備をしていたのか、とか、いつからお店をやろうと思っていたのか、とか、そういうことを聞かれたので思い返してみたのだけれど、正直、明確なことは覚えていないのだ。覚えているのは、「はじまり」だけを決めて、それに向かっててんやわんやしていたということだけ。
不思議なもので、それまでぼんやりと遠くにしか見えていなかったものが「はじまり」を決めたことで急にくっきりを姿を現して、せっついてきたような感じだった。
てんやわんやはしていても、日に日に「やりたい」は強くなって、明確になって、「はじまり」を迎える頃には、それが自分たちの全てになっていた。そして、あっという間に自分たちの日常になった。
そしてここから、gururiは5年目を過ごし始める。
実は、ぼんやりとずっと考えていたことがある。それは、gururiで本や雑貨を扱うこと。そしてゆくゆく、本屋兼雑貨店をはじめること。
いつかタイミングがあれば、と、遠くのこととして心の片隅にぽろっと置いていた。
昨年の秋ごろから、そのタイミングやチャンスがじわじわ近づいてきている感覚があったのだけれど、それでも、元々心配性で慎重な自分たちということもあって、そこに自分たちの体重を乗せていくことを少し躊躇していた。
今の自分たちに出来るんだろうか。舵を取れるんだろうか。
正直、今のgururiを大事にしながら時間をうまく使えるかわからないし、仕入れや在庫管理なんていう諸々においても経験や知識は浅いので、あれやこれやと不安は付き纏う。
ただ、不安とか懸念とか、そういったものは取り除く術はない。ただ、やってみるしか、先のことはわからない。
そう思っている自分の背を押すように、今年に入ってから偶然が重なって、不透明だった仕入れのルートがぱっと開けたり、実際に話を聞いたりする機会が何度かあったり、具体的な計画が浮かんだりして、もしかしたらやれるかも、と思えるところまでやってきた。
gururiの「はじまり」を決めた時と同じように、それまでぼんやりと遠くにしか見えていなかったものが、急にくっきりを姿を現して、日に日に「やりたい」は強くなって、明確になっている。
そして、3月。gururiの新しい1年が始まる月。
大きく踏み出さなくてもいい。まずは小さく自分たちらしく、gururiらしく始めてみよう、と、5年目に入るこのタイミングで心が決まった。
gururiを始めた時と同じ気持ちを大事にしながら、自分たちがひとつひとつ丁寧に選んだ本や雑貨で「慌ただしい毎日にほっとするひとときを」持ってもらえたら、どんなに幸せか。
だから、不安もあるけど、楽しみも嬉しさも大きい。
少しずつ、自分たちらしく、gururiらしく、てんやわんやしながら進んでいこう。
そんな5年目の春。
新しい章の、はじまり。