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不安を置いといて、踊る
魂に響く作品に出合ったとき、人生において何か必要なメッセージがあるかもしれませんねえ
その1
Florence + The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)の「Free」という曲がとてもよかった。
不思議なもので、
好みの音楽に出会う時って、ジャケットやサムネイルを見ただけでピーンときたり、歌詞が英語で意味も分からないのに、なぜだか心が熱くなることがありますね。
今の時代、気になったらすぐにYouTubeで探して、和訳を掲載しているサイトもチェックできる。音楽サブスクがあれば他の曲も全部聴けてしまう。(本当、展開スピードが超速)
この曲は「Free(自由)」というタイトルだけど、冒頭で出演者は
「フローレンス(彼女自身)」と、
「ビル・ナイ(彼女の不安役)」と紹介される。
ビル・ナイはイギリスの有名俳優さんだそうですが、渋い。カッコいい!
歌っているフローレンスの横で「彼女の不安」は、ずっとしかめっ面でスマホを操作している。
ずっとコーヒーを手放さず、
誰かと愉快でなさそうな電話をしている。
この曲のMVを見て思うのはもちろん、
「不安の視覚化・擬人化」っておもしろい!という所。
歌詞:
それ(不安)は私の心を上げたり下げたりする。
1日のうちに100回も。
私たちの行動動機というものは「不安」からきてるものがほとんどかもしれない。何か行動をする時に、「なぜ私はこれをしているのだろう?」といちいち考える人は少ない。
不安と一体化している限り、頭も体も言動も気分も延々と不安に振り回され続けることになり、気が付くといつも不思議に思う。
「なぜこんなに疲れるのだろう?」と。
私たちは、自分自身の感情さえ自由に操ることはできないのだ。
歌詞:
でも音楽を聴いて ビートを感じてる
踊ってるちょっとの時間 私は自由だ
不安をよそに踊っているシーンでは、涙が出てしまう。
不安をどうにかしようと画策しても、どうにもならない状況の時もある。
抑えつけても、なだめすかしても、知恵をつけていなそうとしても、受け入れても、さらに大きくなって返ってくることがある。
どうしたってエゴというのは、あらゆる感情を使って本体をコントロールしたいものみたいだ。1つ不安を克服しても、「じゃあこれならどうだ?」を繰り返してくる。
エゴをどうにかしたい私と、そうはいくかのエゴとの対決。
相手にしている限りエゴはエネルギーを得てヒャッハー状態。。
不安は不安として置いといて、もう踊ってしまえ
五感で感じることに集中してビートにのせて踊ってしまう。
踊ってる間は自由だ。
不安のとりこになってる状態から抜け出し、できるだけ客観する。
そして、できるだけ遠くの視点まで行くのだ。
思考のループから抜け出すワザってこのくらいシンプルでいいんだろう。
おそらく、魂が踊りたがっているから。
魂からの選択をしているときは無敵だ。
自分の不安と肩を寄せ合う
MVでは「彼女自身」が「自分の不安」の肩にもたれるシーンがある。
不安と肩を寄せ合うの、いいな。
不安をすべてどうにかすることはできない
不安というものがあるのが人間だから。
歌詞はシンプルなのだが、ちゃんと深い。
アーティストが、意識のレイヤーを何層も潜ってものごとを見てきたのだろうな、と思わせるような作品がとても好きです。
だからこそ、こちらの意識の奥深くにも届くものができるのだと思います。
このMVは、2021年11月にキーウで撮影されたそうだ。最後のシーンは墓地でしょうか。また腹の奥にぐっときます。