赤尾兜子の数句
以前から読んでみたいと思っていた赤尾兜子
「鑑賞赤尾兜子百句」(渦俳句会編)を読んでみました
とても難しい
句もですが、鑑賞を理解することから難しくてできませんでした
「赤尾兜子の百句」(藤原龍一郎著)、「赤尾兜子の世界」(和田悟朗編著)と読み進め、三冊を繰り返し読んでみて、やはり難しいとは思ったのですが、その中でも心に残った句を書き留めておこうと思います
会うほどしずかに一匹の魚いる秋
破調ですが、調べの美しい句です
「しずかに」で一呼吸あります
ここで切れがあるとすれば会う対象は人の可能性があり、ないと考えると会う対象は秋になります
魚と会うと言う読み方もできると思いますが、魚は秋に内包されたもの、一種のアクセントだと考えました
私は「しずかに」の一呼吸は純粋な調べであって、句形としての切れではないと感じます
会うのは、秋です
もう一つ、「ほど」に迷いました
副助詞と読むと、程度、限度、変化を意味するそうですが、程度、限度ではなく、句の静謐には変化と言う時間の動きは感じられませんでした
「会うほど」を「しずかに」と形容していることもあり、名詞の様子、状態、具合と読みたいと思いました
作者は秋と会っています
それは、しずかに
その秋は一匹の魚を内包しています
魚の気配が「しずかに」を支え、魚のように内包されているのではなく、秋と「会う」を確かなものにしているのだと思います
この句は「虚像」他に収録されています
ちょっと頑張って、もう一、二句、鑑賞を書こうと思います
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