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幼女向けコンテンツだったはずなのに

幼女向けコンテンツ、と言うと昨今のポリコレに叩かれそうだが魔法少女、〇〇の妖精、というワードで心ときめいた幼女少女は確かに存在した。
美少女戦士、プリキュアなど女児向けと言われるコンテンツは数多ある。

数多の女児向けコンテンツから今回紹介するのはパネルでポンというゲームである。

パネルでポンとは
SFC(スーパーファミコン)で1995年に発売されたパズルゲームである。この記事で述べるパネルでポンは最初に出たものである。
ぷよぷよやテトリスと違い、初期配置されたパネルを回転させて同じ色のパネルを3つ以上合わせて消すゲームである。
パネルは一定時間で下から迫り上がってくるもの、対戦時にはおじゃまパネルを消すことで増えていく。
天井(画面枠内上部)について一定時間経つとゲームオーバーである。
パネルはポップで可愛い原色なので見ていて楽しい。
対戦時のおじゃまパネルは対戦相手カラーで、しかも顔がついている。かわいい。
その後、ヨッシーのパネポンやポケモンでパネポン、続編のパズルコレクションやDSでドクターマリオと一緒になったものなど多彩である。が、プレイしたことがないソフトがほとんどなのでたくさんあることだけ承知いただければ幸いだ。
対戦モードはイージー、ノーマル、ハード、ベリーハードの4種類。ベリーハードは隠しモードである。
この後話すが、モードによってエンディングが異なる。

ストーリー(ネタバレを含む)
魔王サナトスにより、ポップルスという妖精の世界は雨続き。さらに妖精同士が喧嘩をする魔法をかけられてしまう。
魔法から免れた花の妖精リップはみんなを正気に戻し、元凶を打ち倒すべくデスマウンテンに向かうのであった。
という話だったようだ。
魔法のパネルで対戦して友情を取り戻すって、パネポン勝負で友人をシバき倒す話だったのかと、Wikipediaを見て知った。
ゲームではよくあること。人間の世界ではあまり推奨されないが、ゲームなので拳で語るのも仕方のないことだ。
パズルゲームにも関わらず、マルチエンディングを採択しているのも珍しく感じた。
エンディングはメタい発言で高難易度を勧めてくれる。そして他のエンディングも示唆してくれるのだ。

モードによるエンディングの違い
リップちゃんがパネルで仲間をしばき倒して正気に戻すと、対モンスター戦のプレイアブルキャラとして使用できる。
妖精たちは属性を持っているように見えるが、特に効果はない。パネルが消える時の演出、連鎖時の掛け声、おじゃまパネルの顔が変わるだけで特に有利不利もない。
違うことはモンスターに負けてしまうと妖精が消えてしまうことである。
リップちゃんは何回負けても消えないが、他の妖精たちは負けると消えてしまう。
そのためリップちゃん含め9人いる妖精も、モンスター戦で8回負けるとリップちゃん単騎で残りのモンスターをボコボコにすることになる。
ハードモードがこのゲームにおけるトゥルーエンドであると思われる。
が、条件が妖精との戦いでコンティニューなし、モンスター戦でもリップちゃんでコンティニューなしでのクリアを要求される。
オチを話すと妖精の世界で起きた異変は全て"妖精の女王"が出した幻。みんなが喧嘩する魔法も妖精の女王がかけたもの。本当はサナトスなんていなかったのだ。
次期妖精の女王を決めるべく引き起こされた騒動にみんなまんまと引っかかったわけだ。
もう少し穏便にできなかったんですかね。選挙とか。
そしてエンディングで明らかにされる……妖精の女王様リップちゃんのママだったのか。
世襲にしないのはいいことだと思うが本当にもっと穏便にできなかったのか、その後リップちゃんは友人に妙な魔法をかけたママを恨まなかったのか甚だ疑問だ。
ハードモードでリップちゃんに泥をつけなければ、周りの妖精が全滅していてもリップちゃんは次期女王としての決意を固める。
素敵なエンディングである。ただ、味方の妖精が誰も語らないエンディングは些か寂しいものではあるが。
ベリーハードモード無敗で迎えるエンディングはやや不穏である。
ちなみに実機プレイではないし、実機で無敗エンドを見ることはもはやアラフォーには不可能だったのでどこでもセーブを使ってクリアした。
ここからの画像はハードモードのコンティニュー有りエンディングである。

寝耳に水
拒否
うんうん?
ほう
メタいね
おばちゃん頑張るよ

そして頑張った結果、ベリーハードモードノーコンティニューである。

やはり寝耳に水
おう
うん?
ちょっと待って
えっ

一番難しくて大変なエンディングだっていうのに不穏。
力に溺れていくのでは?と不安になる終わり方だ。

本当に言いたいこと
ここまで書いたのはやってほしい気持ち半分、どうしてこうなった感半分の気持ちで書いている。
考えてみてほしい。1990年代、花の妖精が主人公のパズルゲーム、出てくる妖精は他8人とモンスター、魔王、妖精の女王様、そしてよくわからない可愛いモケモケのキャラクター。
メディアミックスしてくれと言わんばかりのゲームじゃないか。
リップちゃんのステッキだってグッズになってもおかしくない造形をしている。
しかしどうやらパネルでポンのグッズは世に出ていない。
掘り下げていけばアニメだっていけそうな世界観だというのに、アニメ化もしていない。
一体どうして。
コミカライズだっていいじゃないか。なぜ、どうしての気持ちが大きい。
パズルゲームであったこと、そしてその当時SFCで遊ぶ子供たちは圧倒的に男子が多かったように思う。
ゲーム機を持っているのはお兄ちゃんのいるお家、もしくは男子の家が多かった。
思い返せば女子たちはお絵描きだの、塗り絵だので遊ぶことが多かったように思う。
同い年の職場の先輩に「パネポンって知ってる?」とタメ口で聞いたところ「あれねぇ、パネルくるってできなくてダメだったの~」と存在とゲームシステムは知っているようだった。フェミニンな口ぶりだがガンダムを愛している成人男性だ。
記憶している限りではこのゲームのRTA記録保持者は男性だったと思う。
もしかして、女子に届いていなかったのではないだろうか。
きっと届いていたら、今頃「パネポンのアニメ作画よかったよね」「あそこでリップちゃんが覚醒して熱かったね」「サナトスの声がなあ……ちょっと解釈と違った」とか話していたのだろう。話したかったね。
そんな気持ちにさせてくれるゲームだ。

Nintendo Switch Onlineで遊ぶこともできるし、ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンでも気軽にプレイできる。実機が無くても大丈夫。
そして公式サイトも未だに存在している。

懐かしいデザインのサイトに癒されてほしい。
御覧の皆さんも、ぜひ「なんでメディアミックスされなかったんだ?」と首をかしげ、実在しないパネルでポンのアニメの幻覚を見てほしい。

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