大阪ポテチ爆発事件の話
大学時代。21歳の夏。
大阪に住んでいた僕は、地元九州への里帰りが間近に迫り、関西限定のお好み焼き味のポテトチップスをお土産にしようと考え、数日前にお土産ショップで買い物を済ませた。
何故か分からないが、お好み焼き味のポテトチップスを家族に食べて欲しくなったのである。
帰省する日、伊丹空港。
荷物自体、そんなに多くなかったので僕はお土産などを入れていた荷物も機内に持ち込んだ。
そしてアナウンス通りに座席上のスペースに収納した。
飛行機は予定通りに離陸。
ぐんぐん上昇する。
その時、
パンッ
飛行機内に破裂音が響く。
何事かと客室乗務員が出てくる。
『皆様方の座席上のお手荷物を再確認します』
と、アナウンスが入る。
以下、僕の心境。
パンッ
『え、何?』
周囲に漂うお好み焼きの匂い。
『最悪や、、、』
慌ただしくなる客室乗務員。
そして、アナウンス。
『マジか、、、。最悪や。』
前方から座席上の荷物を確認してくる客室乗務員。
『もう分かってんだよ。犯人は俺なんだよ。』
周囲に広がる、高クオリティのお好み焼きの匂い。
『言おうかな。いや、恥ずかしい』
やがて、僕の座席に来た客室乗務員。
パカッ
途端に急激に広がるお好み焼きの匂い。
パカッ
閉める客室乗務員。
その客室乗務員の僕を見る目が冷たかった。
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