触れあいたくても触れられない二人 (アストロロボSASA)
「ねぇ〜 こんな〜は〜れた〜あお〜いそ〜らに〜」
アストロロボSASA(アストロロボササ)は1985年にアスキーから発売されたファミコン用ソフトです。
そういえばオリジナルはMSX版だったみたいですね。とりあえずFC版が5,500円だったことは覚えてます(笑)
アストロロボSASAはちょっと特殊な操作系のアクションゲームです。どの辺りが特殊かと言えば・・・アクションゲームに限らず例えばキャラクターを右に動かす時は方向キーの右を押しますよね?
ササも地上にいる時は同じなのですが、空中等地に足が着かない状況になるとこの操作が逆転するのです。
SASAはプラズマガンという武器を装備しているのですが、このプラズマガンは武器であると同時に移動手段にもなっていて、弾を撃った方向の反対方向へ反動で移動する事ができます。
ついでに言えば浮いている状態だと身体の向きを変えるだけでプラズマガンを撃たない限りは進む方向は慣性任せです。
これが地上、水中、宇宙と適用されて厄介なことに屋内ステージの様な狭い場所では一瞬で操作系の切り替えを判断する必要があります。(しかもステージの種類毎に重力のかかり具合が違う)
そしてプラズマガンの発射を含む活動にはエネルギーが必要で、それは各面に用意されているエネルギーパックを回収することで補充され、同時にこれが各ステージのクリア条件を兼ねています・・・SASAは特殊なアクションゲームという印象が強いですが、リソース管理ゲーでもありますね。
これらの要素がとても奥深く、同時に難しすぎて多くの脱落者を生んでしまった要因です(TдT)
SASAの世界観はファミコンソフトの常で多くは語られないのですが、ブラックホールの探索の為に恋人のNANA(2P用キャラ)と日々訓練に励み、そして宇宙に上がっていくというもので実際にゲームのステージ構成もそれに準じています。
当時の私はブラックホール探索が片道切符だと思いこんでおり、SASAとNANAの境遇に涙しつつ(おまえ、エネルギー奪って捨て石にしてたよな?)も敵キャラやステージののどかな要素に困惑しておりました。
何処か物悲しくて、何処か暖かくて・・・そんな空気( ˘ω˘)
冷静に考えれば感情を持ちパートナーが居て訓練(実戦だけど)を経て進む一見厳しくも長閑にも見えるその道筋は薄っすらとした優しさが垣間見えてはいるのですよね。
それは冒頭のNANAの歌の歌詞で肉付けされていると思います・・・まぁ、凶悪なワカメが存在する世界が本当に優しいかどうかの疑問は残りますが(;´Д`)
そういえばもうひとつ特徴的な要素にSASAは自分を害するものと接触する際にエネルギーを消費してバリアを張るのですよね。この辺も目的地が宇宙と考えるとデブリ対策という意味で上手くゲームに落とし込んだなぁ・・・と感心するのですが、ちょっと罠があってパートナーのNANAと接触してもお互いが無慈悲にバリアを張ってしまうのですよ(;´Д`)
恋人同士なのに触れられない・・・この切なさはサイボーグ009でジョー達の敵として登場する0010を思い出しますね。
まぁSASAとNANAに関しては前述の「実のところ思ったよりは優しい世界」なのでミッション活動中だけだとは思うのですが(゚∀゚)
あまり目立ってはいない作品ですが、その個性と作り込みは今の視点で見てもなかなかのものではないでしょうか?(勢い余ってエネルギーパックを破壊してしまい絶望)
<次のお話>
<前のお話>
<電子の光に魅入られて>
先行する4マガジンに放り込めないビデオゲームへの迸る熱い妄想を放り込んでいきます(゚∀゚)