フットボールツーリズムと歴旅と
歴史旅
山口を旅するなら、萩、下関、岩国、秋吉台といったところが思い浮かびますね。Jリーグの遠征だと、なんとなく飽きてきたと言う声もありますが。もう少し調べてみると、いろいろな見所がある事に気がつくはずです。
そういえば、今年は鉄道150年とかイベントも多いですね。明治初年に行われたことが、150年目を迎えているのです。そうおもうと、レノファ山口のメインスタジアムのある公園が、維新100年記念ということは、50年以上経っているんだなぁとしみじみしたりします。
そこで、今回のテーマは「山口出身の偉人ゆかりのところを行こう」となりました。山口市出身といえば、湯田温泉に実家のあった井上馨がいるねと。ただし、レンタカーは必需品となります。
山口宇部空港から
まず山口につくと、山口県民のソウルフード「どんどん」のうどんから始まりました。そして目指すは光市。光市は伊藤博文の生誕地でもあります。
その生誕地に伊藤公資料館があり、このときはちょうど、伊藤博文と井上馨展が行われていました。この二人は、生まれも育ちも身分も違うのに盟友となり、幕末から明治を生きていってます。
司馬遼太郎がこの二人を「お神酒徳利の関係」と小説で書いたことから、なにげに「お神酒徳利」で通るようになっています。そのため、この展示を「お神酒徳利オンリーイベント」というとかいわないとか。
防府へ
次に目指したのは、防府です。防府といえば防府天満宮ですが、その近くには毛利家が山口に作った本邸がいまは毛利博物館となっています。
このお屋敷を作ることにも、井上馨が絡んでいて、毛利家の家憲を作った時に山口に本邸を作り住むことと決められたのです。
この博物館だけでなく、庭園が素晴らしかったです。ライバルは三大名園らしいですが、匹敵する庭園でした。
そして、防府から山口市へ移動となりました。防府の瀬戸内海側には三田尻や富海といった、港があります。この港から山口に幕末の志士たちが歩いていったと思うとワクワクします。
井上馨と伊藤博文がイギリス留学を切り上げて、攘夷戦争を止めようと急いだ道だなぁとか。もっともこちらはトンネルを通り、車でビューンですけど。それで、思ったより近いんだねと言う言葉が。
山口市、湯田温泉、そしてサッカー
山口市は幕末江戸幕府の規制がゆるくなったときに、しれっと藩の政庁を置いたところです。萩はやはり不便で、防衛に向いていないと、考えられたようです。そのため坂本龍馬や中岡慎太郎といった志士達も湯田温泉に来ています。
忘れてはいけないのは、湯田温泉にある井上公園です。ここは、井上馨の生家跡を公園にしたところです。又、幕末の8月18日の政変の後長州に落ちてきた、公卿の三条実美が住んでいたところでもあります。ここでは色々なイベントも行なわれています。そして、足湯もありますが、めちゃめちゃ熱くて足をつけられませんでした。
湯田温泉を出て、山口市の市街へ入ると、萩往還沿いに様々な施設があります。その中の十朋亭は山口に来た藩士の宿泊施設でもあったので、攘夷戦争を止めようとした、伊藤博文と井上馨がまず目指したところです。今は資料館になっているので、今回行ったときは山縣有朋を展示していました。
菜香亭というもともとは料亭だった資料館もぜひ行ってほしいおすすめの施設です。山口の迎賓館ともいわれ、伊藤博文を始め、明治からの名だたる人たちが訪れ、揮毫、額を送っているところです。ちなみに安倍晋三氏の額もあって、しみじみと眺めていました。
大内氏が建立した瑠璃光寺は四季を問わず映えスポットです。五重塔と公園、お寺と見るべき所がたくさんあります。また、毛利家の墓所もあります。幕末の毛利敬親公、元徳公のお墓をお参りしてきました。
このすぐ隣の洞春寺には井上馨の分霊墓もあって、井上馨の毛利家への思いも感じることができます。ちなみに日産の創業者の鮎川義介は、井上馨の親戚でもあるので、隣にお墓を作っています。
試合の後は、また湯田温泉に行き、足湯の狐の足あとへ。これは声を大にして言いたいのですが、アウェーのサポーターはチケットなどを見せると足湯代が無料になります。カフェでもあるので、可愛いスイーツをいただいでまったりしましょう。オリジナルのタオルハンカチももらえます。実際に行った時、ジェフのサポと思える人が近くにいたのですが、もらっている人があまりいなかったようで、少し残念でした。
さて、今度は山陽小野田や工業地帯へ
新山口駅のところには、長州ファイブ、人の機械となるためにイギリスに密航した5人の顕彰碑があります。留学したロンドン大学に顕彰碑があるのに出身地にないのは寂しいということで、建てられたものとか。でも、目立つのは山頭火の銅像ですかね。
多分ここに来る人はいないだろうなぁと思えるところにも行きました。山陽小野田市にある旧本山炭鉱跡という今では、住宅地の真ん中にある単行の跡地です。下関の近くに石炭の取れる場所があって、というのを本で読んだことがあったので、ここかなと行ってから思い出した場所です。
ということで、今回は「井上馨」をキーワードに旅を楽しみました。まだまだゆかりのところは色々あるのですが、それはまた今度の機会ということで。そして長州と言うくくりで行くと、木戸孝允、高杉晋作といった人たちもいますし、福岡、長崎、京都、東京へも広がっていきますね。
今年は鎌倉殿の13人縁の地にも行きました。来年は「どうする家康」で静岡・愛知関係が待ってます。
ぜひ、Jリーグの各チームには地元の歴史を広めるためにも、アウェーのサポーター向けに情報発信もお願いしたいです。今回瑠璃光寺五重塔に行ったのは、内部の特別拝観ができるということを知っていたからですが、これは山口の情報をツイッターなどで知ることができたからです。ジェフのサポにどれだけ知られていたかというと、かなり不安なところです。せっかくたくさんの人が来るイベントなので、有効な活用をお願いします。