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【お知らせ】異文化コミュニケーション学会でポスター発表をしました!

こんにちは!
GUPの企画・運営をしています大谷千恵です。

私たちは、なぜ日本の女子中高生向けのキャリア教育プログラムを提供しているのか?ということを学術的に捉えつつ、より良いプログラムにしていくためにはどういったことが必要なのか?ということを普段から考えているのですが、今回は異文化コミュニケーション学会 第39回年次大会でその成果を発表してきた様子をお伝えしていきたいと思います!

12月8日、GUPを企画・運営している教員で、ポスター発表をしました。

会場の様子①
会場の様子②

この発表をした背景には、日本の社会問題があります。
皆さん、毎年6月頃にニュースを賑わせる「ジェンダーギャップ指数」をご存知でしょうか?これは世界経済フォーラムが、経済、教育、健康、政治の分野毎に各使⽤データをウェイト付けして男女格差を数値化したものですが、2024年は日本は146カ国中118位でした。この総合順位は、前年から上がっていますが、教育における順位は42位から72位と大幅に下がっています*1。また、STEM分野における女性ロールモデルの不足は日本の大きな課題とも言われています*2。

だからこそ、Girls Unlimited Programでは、親や先生とは異なる視点を持った第一線で活躍するメンター達を通して、女子中高生が社会に埋め込まれたアンコンシャスバイアスに翻弄されずに、自分の道を自分で選択できるようにすることを目的としています。

今回のポスター発表では、「アメリカ大使館助成事業『Girls Unlimited Program』を通した日本における女子中高生のエンパワメント」というタイトルのもと、2021-2024年にGUPに参加した女子中高生116名を対象に実施したアンケート調査の結果を報告しました。

★ 学会発表で使用した実際のポスター ★

調査の結果、98%のガールズがGUPに「満足」と回答。
また、「多様な経験や考え方、価値観に触れることができた」「視野を広げることができた」という質問に対しては約90%のガールズが、「自分なりの夢や進路を描くヒントを得ることができた」に対しては約70%のガールズが「とても当てはまる」と回答しました。

アンケート結果や意見交換を通して、 GUPはガールズに対して、満足感や達成感を実感させ、自己の夢や進路の描き方に関する示唆を提供し、女子中高生のエンパワーメントに寄与したという結論に至りました。参加者は選考を経た意欲の高い生徒達なので、得られた結果を一般化することは難しいですが、今後更なる調査を進めていきたいと思います。

会場の様子③

発表には、領事館でインターンをしていた学生も来てくれました。また、米国スタンフォード大学の「ライフデザイン」メソッドを元にしたプログラムであることに興味を持ってくださった方も多かったです。「ライフデザイン」メソッドは、米国スタンフォード大学のBill BurnettとDave Evansが創設したLife Design Lab. で展開されているデザイン思考をベースとしたキャリアデザインの方法です*3。Girls Unlimited Programは、同大学Design Lab.より教育機関向けのライセンスを取得し、内容を日本の中高生の実態に合致するように調整した教材を使用しています。

*1:World Economic Forum (2024) “Global Gender Gap 2024 Insight Report”. https://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2024.pdf
*2:鄭 美沙(2023)「教育格差が経済の男女格差を広げる? ~ジェンダー・ギャップ指数に表れない日本の深刻な教育格差~」ビジネス環境レポート. 第一生命経済研究所.  <https://www.dlri.co.jp/files/ld/268824.pdf> (アクセス 2024/8/16)
*3:Bill Burnett and Dave Evans (2016) “Designing Your Life: How to Build a Well-Lived, Joyful Life”. Knopf, NY 


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