【対話的読書】ミンツバーグの組織論 Session0
「私たちは、そろそろ組織を再検討すべき時期にきている」
ヘンリー・ミンツバーグ(1939年生まれ、2024年現在85歳!)
カナダのマギル大学経営大学院の教授であり、世界的に著名な経営学者です。彼は、従来の分析偏重のマネジメント論に対して、実践に基づいた独自の視点で経営のあり方を問い直し、多大な影響を与えてきました。
なぜ、この本を読み始めたか?
マネジメントを探求する上で、何名か避けて通れない理論家、先人がいると思いますが、ミンツバーグ氏はそのうちのひとりだと思っています。ミンツバーグ氏に最初に関心を持ったのは、「リフレクション・ラウンドテーブル」を知ったのがきっかけでした。
「マネジメントとは、単に管理職という役割ではなく、組織化して成果を創出するための専門技能ではないか?」という個人的な探求テーマを深めるために、この対話的読書(といっても、読んだ内容の感想をここに書くだけですが)を通して思考整理したいと思います。
そもそも組織とは?
本書では、組織について2つの定義を設けています。
1)組織とは、共通の使命(ミッション)を追求するために組み立てられた集団的行動
2)組織の構造とは、組織のメンバーが使命の達成に向けた行動を一緒に取るために設計された、人と人の関係のパターン
マネジメントの「唯一で最悪の方法」
1911年、フレデリック・テイラーが『科学的管理法』(邦訳・ダイヤモンド社)で「唯一で最善の方法」を提唱した。それは、ストップウォッチをもって働き手を監視して、仕事ぶりを事細かに分析するなど、働き手を「脳みそをもたない手」のように扱うべきだーらしい。
現代において、これだけみると「それは最悪だね」と思いそうだが、勤務時間で管理している世界観って、この論から脱してないよね、と個人的には思う。ミンツバーグいわく、「組織を組み立てるための唯一で最善の方法があると決めつけるのは、組織をマネジメントする上で最悪の方法と言わざるを得ない」と述べている。組織には、途方もなく多くの種類があるからだ。
このあたりが冒頭の導入部分。ここから、本書は7部構成に分かれている。
本書の構成
第1部は「組織を再検討する」。組織が意思決定と戦略立案とマネジメントを行うにあたり、「アート」と「クラフト」と「サイエンス」をどのように活用しているか。
第2部では、組織設計の基本的な構成要素の紹介。
第3部では、4つの基本的な組織形態を示す(パーソナル型、プログラム型、プロフェッショナル型、プロジェクト型)。
第4部は、4つの主要な力(統合、効率、熟達、協働)について。
第5部は、あらゆる形態の組織で見られる3つの力(上からの分離、文化の注入、対立の浸食)に着目すると見えてくる3種類の組織形態(事業部型、コミュニティシップ型、政治アリーナ型)について。
第6部は、これらの力と組織形態の関係を検討する。それらの力がどう作用して、それぞれの組織形態を安定させて行き過ぎを防ぎ、さまざまなハイブリッド型の組織をつくりだし、組織のライフサイクルを通じて異なる組織形態への転換を後押しするかを論じる。
第7部では、組織がどのように境界線を開放して、外へ向かうかを論じ、次に、組織デザインのプロセスをどのように開放して、「デザイン・ドゥーイング」まで含めることができるかを見ていく。
・・・とのことである。
組織という動物の正体は、どのようなものなのか。それは、どのように機能しているのか。どのようなときにうまく機能しないのか。もっともうまく機能させるためには、どうすればいいのか。
この問いかけは興味深い。
とはいえ、これをひとりでただ読んで、何かを検討するには内容がハードそうなので、ここに記録しながら、対話的に読書していきたい。
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