ぐん税ニュースレター vol.25 page02 -令和4年度 税制改正について-
令和4年度税制改正では、積極的な賃上げを促す観点から賃上げに係る税制措置が抜本的に強化されました。
また、カーボンニュートラルの実現に向けた観点等を踏まえ住宅ローン控除等が見直されます。
所得税関係(住宅ローン控除に関する改正)
①適用期限が4年間延長されました。(令和7年12月31日までに入居した者が対象)
②2050年カーボンニュートラルの実現に向けた措置として、省エネ性能等の高い認定住宅等につき、新築住宅等・既存住宅ともに借入限度額が上乗せされます。
③控除率が0.7%(改正前1%)となりますが、新築住宅等につき控除期間が13年へと上乗せされました。
・新築等の認定住宅等:令和4~7年入居 13年
・新築等のその他の住宅:令和4・5年入居 13年 令和6・7年入居10年
・既存住宅(中古住宅):令和4~7年入居 10年
④適用対象者の所得要件が2,000万円以下(改正前3,000万円以下)となりました。
⑤合計所得金額1,000万円以下の者につき、令和5年以前に建築確認を受けた新築住宅の床面積要件が40㎡以上に緩和されました。
法人税関係
①給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
▶大企業等
継続雇用者の給与総額を一定割合以上増加させた企業に対して、雇用者全体の給与総額の対前年度増加額の最大30%を税額控除できる制度です。(2年間の時限措置)
また、賃上げや人材投資(教育訓練費)に積極的な企業に対しては、税額控除率が上乗せされます。
▶中小企業
控除率の上乗せ要件を見直すとともに、控除率を最大40%に引き上げた上で適用期限が1年延長されます。(令和6年3月31日まで)
②5G導入促進税制の見直し
税額控除率を段階的に引き下げることとした上で、適用期限が3年間延長されることとなりました。(令和7年3月31日まで)
③少額の減価償却資産の取得価額の損金算入、一括償却資産の損金算入及び中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例制度について、その対象となる減価償却資産から貸付けの用に供したものが除かれることとなりました。(賃貸業者を除く)
また、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例については、2年間延長されることとなりました。(令和6年3月31日まで)
資産税関係
①民法の改正により、令和4年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これに伴い、相続税・贈与税の規定における20歳を基準とする要件についても18歳に引き下げる税制改正が行われています。贈与・相続等の時期によって下表の通り受贈者や相続人等の年齢に関する要件が異なっていますので、ご注意下さい。
②住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税(新非課税制度)
令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において一定の要件を満たすときは、省エネ等住宅1,000万円・それ以外の住宅500万円までの金額について贈与税が非課税となります。
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税理士 鈴木
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