読書アウトプット 【生き方】稲盛和夫
読むきっかけ
東京のエンジニア交流会に参加をしたときに出会った方に、この本を紹介していただきました。
好きな名言があったため前から稲盛和夫さんのことは知っていましたが、本を読んだことがなかったので、この機会で読むことにしました。
ここからは私が印象に残った内容を簡単にまとめて、読んでみた感想も書いていきたいと思います。
第1章
才能だけでは人は成功しません。人格が形成されていないと、いかに才能があっても過ちを犯すことがあります。人格は性格と才能の組み合わせで形成されるのです。
成果は「能力×熱意×考え方」によって決まります。才能がなくても、熱意を持って取り組むことで、才能のある人以上に恵まれた人生を送ることができます。
ただし、思想や哲学、理念といった考え方を持っていると、道から逸れそうになった時でも自分で修正することができるのです。
アイデアや考えをひらめくためには、楽観的な人々を集めることが重要です。計画を練るときにはリスクを想定し、実行の際には楽観的に考えることで、思いが現実のものとなりやすくなります。
人生で起こる経験は、すべて自分の思いが引き寄せたものです。今できないことがあっても、未来の自分ならできると信じ、未来進行形で考えることが大切です。自分には才能があると信じ切ることが、成功への第一歩です。
目の前の物事をどうすればもっと良くできるかを考える。そのような一つ一つのことに飽きずに黙々と努める力、今日一日を懸命に生きる力、そしてその一日を積み重ねていく継続力が、凡人を非凡に変え、周囲との差を作るのです。改善を続ける習慣と創意工夫が、成功への道のりを早めてくれます。
第2章
人生は決断の連続です。判断と選択の基準となる人生観や理念、哲学を持つことが重要で、迷った時の道しるべや原点となるものが必要です。考え方は人生の方向性を表します。前向きな考え方を持てば前向きな人生になり、後ろ向きな考え方を持てば後ろ向きな人生になります。
正しい方向に考え方を発揮させることが大切です。どんなことに対しても真剣に向き合い、物事を素直に見る謙虚な姿勢を持ち続ければ、解決の糸口は見つかります。
今日という一日を一生懸命生きることが重要です。どんなに大きな目標を立てても、日々の地道な仕事に向き合い、実績を積み重ねなければ成功はありません。
仕事に対して自然に燃える体質になるためには、仕事を好きになることが必要です。どんな仕事でも真面目に打ち込めば、大きな達成感と自信を得ることができます。
もし自分の仕事が好きになれない場合は、一心不乱に一生懸命になることが大切。好きになると打ち込むことは表裏一体であり、打ち込むうちに好きになっていくのです。
第3章
才能があり優秀であればあるほど、その才能に自惚れず、間違った方向に進まないようにコントロールすることが必要です。
人の上に立つ人には、人格、勇気、能力の三つの要素が求められます。
心を磨くための六つの精進があります。
誰にも負けない努力をすること
謙虚で驕らないこと
反省ある日々を送ること
生きていることに感謝すること
善行と利他行を積むこと
感性的な悩みをしないこと
これらを堅実に実践していくことが重要です。
どんなことにも「ありがとう」と言える準備をしておくことが大切です。良いことだけでなく、災いに遭遇した時にも感謝する。感謝の念を忘れると、自分から幸せを遠ざけてしまいます。不平不満からは心は満たされません。
素直さは能力を伸ばし、向上を促します。素直さとは、自分の至らなさを認めて惜しまず努力する謙虚な姿勢です。知ったかぶりをせず、偉そうにすることなく、間違った言動をしたときには反省することが大切です。
物事を理性で判断する習慣をつけることが重要です。何か判断をする時には、すぐに返答せず一度保留にして一呼吸おき、自分の私利私欲がないかを確かめることが大切です。自分より他者を優先することで、利他の思考に近づく。
努力を惜しまず一生懸命働くこと。自分の人間性を向上させたいなら、難しい修行ではなく、日常の役割を継続していくことです。つまり、普段の仕事にこそ自分を高める道が存在している。
第4章
利他業とは、周囲を思いやる小さな心のことです。してもらうばかりの人々は、不平不満を言います。
しかし、してあげる側になって貢献する立場になることが大切です。利己と利他は裏腹の関係にあります。
会社のための利他的行動でも、それがエゴだと捉えられることがあります。低い利他に留まらないためには広い視点で目を養い、大きな単位で自分の行いを壮大化することが重要です。
会社だけが儲かればいいという考え方ではなく、取引先にも利益をあげたい、地域にも貢献したいという気持ちで行動することが大切です。また、個人より家族、家族より地域、地域より社会といったように、利他の心を広げ、高めようとすると、周囲のことに目配りができるようになります。
これから新しい哲学を取り入れるのであれば、「足るを知る」ということが重要。必要以上に求めないこと。
今持っているもので足りる心がなければ、欲しいものを手に入れても満足できないのです。今後どのように皆が豊かに暮らしていけるかという方向を模索するべき。
私欲はほどほどにし、少し不足するくらいで満足することが大事です。残りは他と共有する優しい気持ちを持つこと。
また、他を優しく思いやる心が必要です。しかし、現状に満足して新しい挑戦をしない生き方ではなく、活力と創造性に満ちた生き方が求められます。
第5章
因果応報という言葉を信じられないのは、物事を短いスパンでしか捉えていないからです。想いや結果が返ってくるには、それ相応の時間がかかります。悪い行いをした人がうまくいくことがあったり、逆に良い行いをした人が不運に遭うこともあります。
しかし、時間が経つうちに修正され、皆それぞれが行なってきた言動や生き方にふさわしい結果が返ってきます。長期的に見れば、善人は良い結果や報いを得て、悪人は悪果を呼び、因果の辻褄が合うようになっている。心を高めようとする想いや行いこそが道徳であり、それが心を磨いてくれます。
過去の教えを忠実に実践しようとする気持ち、守らなければいけないという気持ち、守れなかったことを真摯に自戒する気持ちが大切であり、そういった心が心を磨いてくれる。
「大変なことだが、生きていれば苦労はある。
災難にあったら落ち込むのではなく、喜ぶもの。
むしろお祝いをしなければいけない。」
この言葉で、稲盛氏は世間からの批判も素直に受け取ることができました。
理性と良心を使って感性や本能を抑え、それらをコントロールすることが大切。世のため人のために尽くすという考え方、足るを知るという生き方を心に刻みつけることが重要です。
良き経験を多く重ねることで、心を磨くことにつながり、悟りに近づくことにもなります。高めた魂は現世だけでなく、来世にも継承されていくのです。
感想
私が今まで出会った尊敬する人たちはみんな心が強い方でした。周りに何と言われようと、なぜそこまで自分の想いを貫けるのだろうかと、今まで何度も思っていました。
この本を読んで気付いたことは、心と芯が強くてブレない人は、誰にも譲れない考え方(信念)があったということです。
そこで私も、今まで出会ってきた尊敬する方たちのように、いつまでも寛容で広い心でいたいと思い、これから生きていくうえで大事にしたい【価値観】と【人生の理念】を考えました。
【価値観】
約束
どんなにお金持ちでどんなに高い地位に恵まれていても、約束を守れない人は周りから信用されません。
周りだけでなく、自分に対しての約束もしっかり守り、自分自身も大事にしていきたいと思っています。
感謝
苦しくて大変なことがあっても、それは自分が成長するための試練を与えてもらったものだと感謝しています。
今まで大変なことはいっぱいありましたが、それを乗り越えられたからこそ前より成長できましたし、その経験があったからこそ当たり前なことを当たり前だと思わず、小さな出来事に感謝できるようになりました。
勇気
「自信があるから行動できるのではない、行動をするから自信がつく」
よく聞く言葉ですが、私はこの言葉にとても同感です。恐怖や不安を感じながらも勇気を持って行動することで、自分自身や周囲にとってポジティブな変化をもたらしてくれると思っているからです。
人前に出るのは苦手ですが、これからはLT会などでスピーチをし、相手に寄り添うコミュニケーションを取れるように、知らない人に自分から会いにいっています。
これからも変化し続けるために、小さな勇気を積み重ねていきます。
素直
自分の考えに固執すると、周りを聞き入れなくなり、見えなくなります。
前職でそのような方がいました…。
間違ったことは素直に謝り、それを改善し、意見を真摯に受け止めて、まっすぐな心でいたいです。
前職ではなるべく部下の意見を取り入れるようにしていたので、これからも他人の意見やアドバイスを拒まず、柔軟に受け入れる態度でいます。
内省
自分の過去の行動や決断について振り返り、何が良かったか、何が悪かったかを見つめ直しています。
内省は他人との関係を改善し、より健全な人間関係を築くためにも必要不可欠です。仕事で結果を出し、なるべく部下の意見を取り入れていましたが、注意をするときに言葉と言い方がすごくきつくなってしまいました。
この失敗を活かして、言い切るような言葉や否定するような言い方をしないように、「普通は…!」「…するべき!」という言葉を使わないようにしようと気を付けることにしました。
【人生の理論】
今この瞬間を大切にし、喜びや幸せをみつける。
オープンマインドで吸収し、真摯に向き合う。
自分の信念や価値観を尊重し、それに沿って行動する。
この考えを軸に、たくさんのことに挑戦をしていきたいと思っています。
私は無謀に行動するような大胆なタイプというより、どちらかといえば慎重に行動をするタイプですが、上記の第2章のまとめにも書いてあるように、日々の地味な作業に真剣に取り組み積み上げていくように、一日一日を大切に過ごせるようにしていきます。
正直、こちらの本の中には、現代の働きに合わない内容も含まれています。
ですが、便利なものとたくさんの情報に囲まれた生活をすることに慣れ、心が貧しくなってきているのではないかと感じています。
テクニックや手法を取り入れるだけでは、人として本当に大切なことは補えないと改めて気付かされました。
年内にもう一度読んでみようと思います!
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