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マネージャーの水出し茶

 私はいつも寝る前に大量のお茶を作り置きする。

 5人家族なので1リットルのボトル5本分。長男と旦那の麦茶、長女のルイボス茶、次男の黒豆茶、そして私の緑茶。それぞれのボトルにお茶パックを入れて水を注ぐ。

 翌朝、良く冷えたお茶を水筒に詰めて、家族を学校や仕事へ送り出す。そして、大量の空きボトルを洗う。スポンジを握りしめてゴシゴシと洗う姿は、まさに部活のマネージャーだ。この「部活のマネージャー」という感覚が私の中でとてもしっくりくるので気に入っている。

 生活の延長線として、ついでに家族の分の家事までこなせる人がいる。私はこの「ついでだから」の感覚が肌に合わなかった。

 基本的に怠惰な私は、本当なら毎日テキトーなご飯で済ませたいし、洗濯物や掃除も迫られなければギリギリまでしたくない。それに1人も2人も一緒と言うけれど、5人ともなると作業量だって馬鹿にならない。

 今すぐ横になりたいくらい疲れた夜に「ついでだから」の感覚で大量のお茶を用意する気など全く起きない。

 かといって「仕事」の感覚だと生活の大半が仕事になってしまうので気が滅入る。やはり「部活のマネージャー」が丁度良い塩梅なのだ。

 今日も空っぽになったボトルを洗いながら、自分のしっくりくる感覚で役割を全うしていく。

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