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リュックサック

 初めてのお仕事は、おきがえとタオルを運ぶこと。
 れんらく帳は一番上の小さなポケットに入れて、ボクよりも小さな背中におんぶされてたんだ。

 しばらくすると、小さな背中は少しだけ大きくなった。
 ボクの仕事はなくなった。
 真っ黒でピカピカのアイツが、教科書やら筆箱やら詰めて、毎日キミにおんぶされている。

 勉強机のイスにぶら下がっておるす番はあきたよ。
 またキミとおでかけしたいな。

 ある日の夜、キミはボクの口をいっぱいに広げて、ビニールシートを入れた。それからポケットティッシュに、ハンカチ、ねんのために雨ガッパ、あとたくさんのおかし。 

 雲ひとつない青空。
 少しだけベルトをゆるめて、少しだけ大きくなった背中におんぶされる。
 キミは思いっきり飛び跳ねて、そのままの足で原っぱをかけ回る。

 毎日じゃなくなったけど、キミが楽しい日にいっしょにいられるなら、ボクはうれしいな。

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