音楽隊出動命令000
明かりが灯った空間を通り抜けると異世界へ来たかのように景色が変わる会場は、うっすら視界を遮るスモークと照明を知らない客席、待ち望んでいた瞬間がやってきた高揚感と人混みで感じる臨場感。ひとつのものを愛する人間だけが集まる夢みたいな場所で歌を聴く喜び。
装った社会人でなくて、丸裸な人間が見れるライブハウス。全員楽しむことだけを考えて、感電したかのように騒ぎ合ったあと、蒸し暑い四角の中で汗が滲んだTシャツを肌に擦り付ける。もうなんだっていいよと、君が言う。もはや音楽と表裏一体なんだと思う 彼らは。取り残された、はみ出してしまった、普通になれなかった、そんなPeopleが奏でるメロディーと歌声はどこかやさしくて格好がいい。転がった憎悪を抱えて生きる人間の美しさたるや。クレヨンしんちゃん夕陽のカスカベボーイズを見ているような気分になって少しだけ怖かったけど、その恐怖心には間違いなく"ワクワク"も含まれていたと思う。大人の階段をのぼり詰めても、大人になりきれない自分がどこかに居たっていいよと、そんなことを言われた気がした。初めてライブハウスに行ったとき、ロッカーに鞄を預けたままスマホの充電が切れて真夜中の新宿に独り立ち尽くした。人混みをすり抜けて、焦りと不安を募らせながら全速力で駆け抜ける自分は、まるで映画の主人公のようで、一日の全てに彩りが増した。耳鳴りがするほどの爆音が骨の髄まで届いたとき、我々はその場限りの同じ人間に成りました。艶やかな黒髪が踊りだす頃、無色透明な脂汗は瞬く間に地面へ落下し、やがて夢が覚めました。熱気と狂乱に満ちた部屋で寂しく歌った時の記憶が蘇ると、我々は個々の人間へとまた生まれ変わるのです。とにかくライブサイコーサイコーサイコーサイコーサイコーサイコーサイコーサイコー!!!
新しい経験をくれる思い出は、いつだって光輝いてる。年齢は関係ない。冒険は人を強くするし、初めては自信に繋がるから、思い立ったら飛び込みましょう。真新しい自分に出会うため…。想像を超えるほど華やかな世界へ…。東大王、終わっちゃったな…。茄子は、美味しいな…。栗ご飯、食べたいな…。「心」の金文、ちょっと、卑猥だな…………………………………………。