大人の世界

 我が家に革命が起こりはじめた。古びたキタナイ冷蔵庫が捨てられて、なんともまあ綺麗な、銀色BODYの、新しい冷蔵庫が家にやってきた。リビングは見違えるほどにすんばらしい。すごく綺麗です。それから毎日、嬉しくてダンスしてる。頭振りながら歌とかうたう。

 最近18歳になった。何かをやりたいという情熱だけが生きてて、自分は死んでいるみたいな毎日。好きなことをしているときと、ご飯を食べているときは生きてる。それ以外はまあなんとも悲しげな、平凡な、空虚な日々です。だけどそれを楽しもうとする気持ちが根底にある。そんな自分はすごく愉快で素敵だなぁと思う。綺麗事に縋って生きた方が幸せで、深く考えるほど思考が貧しくなって不幸せになるのを知った。食事の前に手を合わせるのを毎日欠かさないとか、青信号が点滅したら渡らないとか、LINEの返信で「あ」って打って「ありがとう」が予測変換に出てきても最後まで手入力するとか、細やかなものを丁寧にやっている人は要領が悪く損をするけど、私はそんな人間を愛したいと思う。不器用に生きる人間の美しさを、もっと明白に他者へ伝えられる何かがあれば。コンビニでアイスを買って帰る金銭の余裕と、電車が一本遅れても焦ることのない心の余裕を、いつか身につけたい。慎重に退化していく体とは裏腹に、これからどんなことが待っているのかしらとワクワクしている自分もいる。深夜にモンスターエナジー2本飲んでおめめ👀充血中(泣)みたいな大人になっていないことを祈りながら、寝癖でフライパンに引かれた油をのばすけど髪の毛に引火して結局チリチリになりましたみたいなのも望んでいて不甲斐ない。日常の中の飛び抜けたユーモアに入り交じる鋭利な言葉よりも、真っ直ぐなやさしさを抱きしめていたいと思う。麻酔をうたれたみたいなひょろひょろな身体でもいいから、誰ひとり残さず、日本中の人々と円陣を組む催し物とかしたい。

  明日もまた生活はつづいて、冷凍パスタを食べると思うけど、あたりまえにすぎる時間を大切にしたい。大好きな人を、ずっと大好きで居れるように、 記憶の中にある動画を再生しながら、また歌をうたいはじめた。


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