作りたてが一番美味しいに決まってる

決まってる、と言うとそれはちょっと言い過ぎだけど。少し冷ましてからの方が美味しいものもあれば、数日置かなければ味が染みてこないものもある。

大抵のものには「賞味期限」というものがあり、美味しく食べられる期限が決められている。
私はこれに関して非常にルーズな感覚を持ち合わせていて、表記した期間には縛られず腐っているか否かを自分で嗅ぎ分けて判断すれば大丈夫！って感じでここまで生きてきた。親がそういうタイプだったから、自然と踏襲してしまったらしい。
実際大きな問題もなくうまくやってこれた訳だが、私はこの悪癖故に食べ物を粗末にしてしまうことも少なからずある。

私は本来食べ物を粗末にすることに強い拒絶感を持っている。友人と飲みにいくと、みんな平気で出てきた食べ物を残そうとするのでその感覚のギャップに戸惑ってしまう。私はそういうときいつも、最後に残った冷え切った料理をラストオーダーのビールと主にかっこむのだ。側から見ればいやしい奴に見えるのかもしれないけど、でも食べ物を残せばこれらのものは廃棄されてしまう。
食べ物は全て命であり、それを育てた人がいて、とんでもない手間をいくつも経て私の目の前に辿り着く。いわば私はこの命の終着点なのだ。ここで私に食べられるためにここまできたのに、それを私が食べないことで捨てられてしまうなんてあってはならないことだ。私が栄養にして、私の糧にすることで完成する命の物語。だから私は限界をおしてテーブルの上を空にするのだ。
つーか食べきれない量を頼むな。腹八分目って大事なことだなぁと、中年に至って気づいた。

なんて偉そうなことを言ってるくせに、家では私も食べ物を粗末にしてしまうことがあるって話に戻ろう。と思ったが、この話は以前にクソデカコストコマフィンくんでしていたのを思い出した。
そう、私はお菓子を食べ切ることがなかなかできない。前回書いた内容的には食べるタイミングがないという話をしたが、実はもう一つ理由がある。それは「もったいなくて食べられない」だ。
これ非常に矛盾した話で、好きな子にもらった義理チョコを神棚に置いちゃう的なアレで、その結果腐らせて食べられなくなるなんて本末転倒にも程がある。愚かしい。

ちょっと話は変わるけど、この話について考えると小学生の頃国語の教科書で読んだ話を思い出す。
主人公がリスで、そのリスはうっかりやの忘れん坊。せっかく集めたどんぐりをどこかに保存しても、それがどこだったか忘れてしまう始末。その性質はどうやらそれは遺伝らしく、主人公のお爺さんも否じことをしていた。お爺さんの隠したどんぐりは隠された土の中で成長して、その孫である主人公がどんぐりをとった木がそれだった。みたいな話。もしかしたら記憶違いな部分もあるかもだけど。

こんな風に、自分が大事すぎてとっておきすぎたものが素敵な結果を生めばいいんだけどさ。実際には捨てるしかないんだよね。
滅多に食べられない美味しいものをとっておきたくなる、それをくれた人の気持ちが嬉しくてなくなってしまうのが寂しい、まぁ色んな感情があってそうなってしまうんだけどね。ちゃんと食べないとそれこそもったいないよって、当たり前の話。気をつけたいね。

タイトルに戻るんだけど、それ以前に、そもそも食べ物は作ってすぐが美味しいことが多い。そう考えると、そもそも賞味期限ギリギリまでとっておくというのも非常に勿体無いことだ。できる限り早く食べた方がより美味しく食べることができる。

今朝、会社で朝ごはん食べようと思ってセブンでチョコスナックパンを買った。袋を見ると賞味期限が5日後だったので、多分その商品は作ったばかりのものなのだろう。封を閉じておいておけば明日も明後日も食べられるな〜と思って、2本くらいずつちまちま食べる予定だった。
仕事をしながらパンを口に運ぶ。すると、なんかいつもとちょっと違う。もちもちふわふわしていて、なんかすごく美味しい。製法を変えて新登場！みたいなのやってたっけ？と思って包装を眺めてみるが普段のものとなんら変わらない。
え、これってまさか作りたてだから美味しいってこと？まじで？コンビニのパンだよ？普通にビニール袋に入ってて5日も日持ちすることを謳ってるような商品だよ？
なんて失礼なことを考えていたが、よく考えたらそりゃそうか。パン屋さんのパンとはそりゃ違うだろうけど、パンはパン。出来立ては美味しいのだ。袋の中で温度や湿度の変化に耐えながら商品棚に3日放置されたものと、工場で袋詰めされて温度管理のされたトラックで運ばれてきたばかりの食品が全く同じ風味や食感を保っているわけがない。

ついこの間も、お気に入りのパン屋さんでパンを買って帰ってきてすぐ食べたとき、は？めちゃくちゃうまいなにこれ、いつもと同じやつなのに！ってなったばっかだった。いつもは買った翌日の朝以降に食べることが多いんだよね。やはり焼き上がってから時間が経ちすぎていないものは格別の美味しさってことか。
なんか、最近食べ物のことで「あれ？」って思うことが多くなってきて、自分は完全なバカ舌おばさんだと思って生きてきたんだけど、年齢とともに多少味の違いが理解できるようになってきたのかもしれない。
でも基本的にはなんでも美味しく食べられるので、人生ハッピー。

食べ物は買ってきてからあんまり日にちが経たないうちに消費して、美味しく食べようね！