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自分の作詞を振り返ってみる(510)

Name'sのベース、時々ボーカルの510です!

個人的なことなのですが、最近仕事のことを改めて考えるために自己分析・自己理解で過去を振り返ったりしています。

そんな中で、「そういえば、過去に作詞をした経験もあったなぁ」なんて思いまして、
 「今、振り返った時にどう思うのか」
 「振り返ることで、今後の音楽活動に活かせるかも?」
なんてことを思いつつ、
自分の作詞についてちゃんと発信したことがなかったと思いましたので、今回記事を書いてみようと思いました。

作詞をした楽曲

まずは、私が過去に作詞をしたことがある作品ですが、2曲あります。
どちらも学生時代に組んでいたMelancholyというバンド時代の20歳頃に書いた歌詞なので、10年以上前ですね・・・。

Melancholyでリリースした『Monologue』という曲と、
Name'sでリリースした『sepia』という楽曲です。

2曲とも作曲:Melancholy 作詞:510なので、作り手は同じで、繋がりのある楽曲だったりします。

作曲の背景

もともとはsepiaが先に完成していたのですが、当時の自分たちは「こんなマイナーな曲はまだ早い!」と考えており、お蔵入りになってしまったという経緯がありました。

ただ、曲の完成度だったり、曲自体は自分たちの納得のいくものだったので、このままお蔵入りにしておくのはもったいないと思って、
sepiaをベースに作り直した楽曲がMonologueになったという流れでした。

その後は新しい曲が徐々に増えていき、sepiaの完成まで手が回らず、Melancholyの活動期間中にはsepiaを音源にできませんでした。

そして時が過ぎて、723くんと音楽活動をすることになって、2枚目の「フリークカプセル」の楽曲たちを制作していた時期のことです。

出来上がってきた曲たちを並べて、「毛色の違う曲、エッセンスの違う曲があったら良いな」と思って、sepiaの存在を思い出しました。

「この曲は世に出さないと!」という気持ちになり、Name'sとしてリリースすることになりました。

歌詞の内容について

Monologue/Melanchly

この歌詞は510の実話に基づいて書いた楽曲です。

17歳の時にお付き合いをしていた女性がいたのですが、彼女と別れることになってしまった後、引きずった想いを落とし込んだのがMonologueの歌詞になりました。

 「過去の選択を振り返っても仕方がない」
 「周りから止めておけと言われていた」
 「運命だったんだから仕方がない」
そんなことは頭では理解していました。

もう一度繋がりたいと思うものの、彼女の今の幸せを壊してしまうこと
今の友人としての関係が壊れてしまうことを恐れていたように思います。

理想と現実的な思考がごっちゃになっていましたね。
頭では止めた方が良いと思っているも、気持ちは求めてしまうという。

あの子に伝えた言葉も、その裏側の「もう一度繋がりたい」という言えなかった気持ちも
全部一度壊して、0からやり直せたら良いのにと思っていました。

でも、そんなことはできるわけもなく、無理だと理解しているけど求めてしまっている葛藤が最後のフレーズになりました。

嘘をついて誤魔化して
本当の気持ちは胸に秘めて
此処から歩き出すこと
もう出来ない

Monologue/Melancholy

実は初期段階では、「繋がりたいと思うけど、進んでいかなくちゃ」という趣旨のフレーズにしていたのですが、
実際に演奏して、歌ってみて、『本当に思っていることと違うじゃん!』と思って書き直したフレーズだったりします。

「頭と心は別物。賢い選択でないとしても、自分の気持ちを素直に認める、大事にする」と自分自身に言い聞かせてたように思います。

sepia/Name's

この歌詞は自分の想像の世界線を書いた楽曲です。

生きづらさを感じている1人の人間の世界線

生きていくことって辛いことがたくさんあって、
おとぎばなしで聞く幸せなエピローグも、楽しそうに生きている人たちも
全部が自分とはかけ離れていて信じることができない。

自分の見ている景色も、この現実も「全部が嘘だったらいいのに」と感じながら、
その受け入れ難い現実に抗えるほどの気力もなくて、逃げて、我慢して、涙を流したくても、それすらも我慢したり・・・。

何がしたいのかも、どうしたらいいのか
一番わかっているはずの自分自身のことすら何もわからない

そんな辛い今も、過ぎ去って過去になれば、思い出になり、美化されるから。
自分は自分なりに情けなくても、格好悪くても、
受け入れ難い「今」を「過去」にするために、
「過去」の思い出に縋り付いて、しがみついて「今」を必死に生きていく

いつか「悪くなかった」と思えることを信じて生きていく

そんな世界をイメージしていました。

「別に格好良くなくても、誰かに認められなくても自分なりに生きていけばいいよ」
「今が辛かったとしても大丈夫。いつかは良かったと思える日が来るから、それを信じよう」
ということをこの歌詞の登場人物に伝えたかったのかなと感じました。

振り返ってみて

まず、素直に「よく書けたなぁ」と感じました。
もう10年以上も歌詞すら書いていない状態ですが、今の自分は何かを言語化することやアウトプットの難しさを感じているので・・・。

その当時感じていたことのエネルギーが原動力になって歌詞にできたのだと思うのですが、
10年以上経った今、色々な経験を積んできて、当時より成長しているとは思うのですが、今では絶対に書くことができない内容だと思います。

その時感じた気持ちだったり、想いだったりは何かしらの形に残していかないとただ過ぎて、忘れてしまうということと、
「今の自分」が感じていることや、思っていることは、知識とか経験がなくても、発信できるのは「今」しかないんだと思いました。

言葉選びや言い回しが上手でなかったり、表現が伝わりづらいという技術的な問題よりも、「今感じていること」を発信することに価値があるのだと思いました。

また、各曲の最後に書いた『自分自身に言い聞かせたこと』も『伝えたかった想い』も、10年前の自分も今の自分も変わらないように思いました。
人間って根本は変わらないんだなーと。

この記事を書いている「今」も「過去」になって、
未来の自分が振り返った時に悪くなかったと思える日を信じたいと思います。

それでは(「・ω・)「

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