飲食店の代替わりは真剣勝負の時

岩田です。はてなブログの過去記事転載です。

10年とか20年のスパンで通う個人経営の飲食店、私にも一軒だけそのような飲食店がありましてジャンルとしては中華的な定食屋さん。

何でもアリってな飲食店なんだけど濃いめの味が好き...チェーン店とは違った意味でかなり長い期間食べてきた店だと思っています。

んでそんな私の人生の食に大きな影響を与えてきた飲食店がピンチ、もう明らかにピンチ。

所謂「味が落ちた」ってやつでして代替わり中ですが味が変わっちゃっいました。

飲食店の代替わりは難しい問題があるように感じます。

先代の先代

私が初めてこの飲食店を訪れたのは今から30年以上前、父に連れて行ってもらったことから始まります。

ちょっと味付けがワイルドで濃いチンジャオロースーや肉野菜炒めなどが男ども引き寄せるスパイスだったと思う。

言ってみれば男の店、「女は入ってこなくていいよ」的な空気が流れる店でした。

価格は昔からあまり変わらなく、新メニューや季節ものはチョット高めで仕掛けて来る感じの飲食店でした。

そんなワイルドな味に魅了された私がチョコチョコ顔を出すようになったぐらいで店主の代替わり。

お爺ちゃんから息子へと変わった時に味が落ちました。

修行に行かされた息子

私は息子の味が一番好きだし、一番長く味わっています。

そんな息子が店に入った時、かなり不味くなりました。

それは私の父も感じて先代にハッキリと「味落ちたんじゃないの?」と物申してました... 愛があるけどこの発言はなかなか出来ない。

結果的に息子は修行に出されまして3年ぐらいでしょうかね、戻ってきた時のチャーハンはヤバいぐらい美味かったし味噌ラーメンは先代の数倍美味いしトッピングとかも選べるようになったり餃子の値段が大幅UPしたけど味と量も大幅UPみたいな感じでパワーアップ感が半端なかったです。

それまではむさくるしい男が愛する飲食店に女性もチラホラ現れるようになって店はかなり繁盛していたと思う。

暫くして先代は完全に引退... というかカウンターの隅っこで新聞を読むお爺ちゃんと孫状態になりました。

そして現在はこの孫が作ったりするんだけど、これがまた美味くないんだ...

孫が美味くない

息子(45歳ぐらい)は今でも現役で店に出るから良いんですがね、ランチの時しか店に立ってないっぽい。

んで孫(20歳ぐらい)は夜しかいないっぽい... って昼と夜で味がかなり違うという店になっています。

そして孫の作るものは美味くない... とはいってもタレ系の味付けは息子がキッチリと作っておいているのでしょう、一応自分の中での「この味」ってやつにはなってるんだけど炒めた物や湯でた麺がちょっとダメ。

結果的に全体的に美味くない飯に仕上がってしまってるのです。

孫が厨房に立ち始めた時は息子も一緒にいて味の変化はなく、

「ああ、俺はここに一生通うことが出来るんだな...!」

と思ってたけど夜の部で息子が厨房からいなくなった辺りからおかしくなってきました。それと同時に客足が減り始めて間違いなくピンチだと思う。

ランチは激混み夜ガラガラ

常連さんとかみんな知ってるっぽいんですよね、このランチの時に駐車場が埋っちゃって店の外にまで並んでるんだもん....オッサンばかりだけど。

んで夜は基本的にガラガラだと思う。

何回か夜に訪れたけどココ最近は完全にガラガラ、「息子いる?」と聞いてみると大抵もう寝ちゃったみたいな雰囲気。

孫に言うべきか否か

孫に味が落ちたよと伝えるほうが良いのか伝えないほうが良いのか... ってそんな事を言うのにも勇気が物凄くいる。

ただ年齢的にみても私のほうがかなり上で息子とも年齢が近い。

多分言ってあげるのが愛だとは思うが、息子に言ったほが良いような気もする、でも他の常連オッサンたちがランチの時に息子に言ってる可能性もある...

できればランチを味わいたいけどランチを食べる為に頻繁には行けないし激混み。

結局私の足はこの店から遠のいてしまっている状態です。

飲食店の代替わり

個人経営の飲食店で昔から潰れないで営業出来ている店ってのは時代の変化を取り入れつつも伝統の味ってやつを守っているからこそ続いてゆくように思えます。

とくにこの店はワイルドな濃い味を求める男の巣窟のような中華料理店だったはず、息子の作る飯はほんのり焦げた部分がとくに美味くて体に悪そうな感じがするけど美味かったんだよ...!

それが今や夜の部はワイルド感が全然ありません。

「うわw コレしょぺぇなwww」

と言いながらもガッツクような感じじゃない。

そしてもしこのまま息子が完全引退となってしまえばコノ店は終わってしまうと思う。

そもそも孫には息子が修行から帰ってきた時のようなギラギラした感じが全くしませんよ。

息子なんかお客がいるカウンター席の目の前で

「チャーハンが不味くなんだろ!親父はすっこんでろ!」

「息子!テメーは分かってねえんだゴルァ!!!」

みたいな先代との激しい喧嘩をしょっちゅうやって常連さんになだめられていたりしました。 

その片隅でオーダーをとったり配膳しつつ先代の奥さん(ばあちゃん)と息子の奥さん(嫁)が孫(現、夜の部)を奪い合うようなバトルもあったりしてコノ店は代替わり時に世代間の激しいバトルがあったんです。

それが今では店内にゆったりとしたお洒落なBGMが流れる閑古鳥の鳴いた夜の店。

 なんか違う...!

代替わりという事で変えてきているのでしょうがこの店のターゲットってのは昔から濃い味が好きな男だったはずです。

どちらかと言えば工事現場な男が似合うようなワイルドな味。

お客さんの層もそんな感じだったし、店にお客が入った時点で先代の奥さんなんかはビールの準備をしてたし先代の奥さんと嫁がビールについて喧嘩している時もあった。

汗臭い男が作るワイルドな中華と汗臭い男が喰らいつく飯.... あの雰囲気だけでも美味かったんだ。

余談①息子が好きだった謎の演歌の曲

息子が若い頃はドラゴンアッシュなどが流行っていたけど店内で流れるBGMは間違いなく演歌でした。

そんな中でよく流れていた謎の演歌みたいな歌謡曲が今でも耳に残っています。

「スッパマーン、スーパーマ~ン」

「スーパーマンにはなれなくて~♪」

「私の大事なスッパマァ~ン..!」

という演歌基調で女性が歌う変なスーパーマンの曲。

知ってる人がいたら教えて欲しいです。

 余談②タバコを吸う料理人

先代も息子もひと段落すると必ずタバコを吸っていました。

当時はタバコに対する世間的な目も厳しくなかったってのもあるでしょう、もうお客の前で堂々と吸います、それも満足したような笑顔で吸う。

そこには「どうだ?俺の飯美味いだろ!」という一仕事終えた職人のような貫禄がありました。

んで孫はお客の前でそのような事はしません... ってそもそもお客がいないから孫は忙しくないけど。

孫の接客態度、お客の前でタバコを吸わないってのは今の時代を考えれば当たり前で常識的な行為で間違いないとは思う。

ただワイルドな男の濃い味といった伝統を受け継ぐのであれば店主もワイルドであったほうが良いのではないか?と考えます。

大きなお世話かもしれないけど綺麗なBGMを流している場合じゃないはず、

飲食には素人な私が考えるに店主の味覚がタバコで少しやられちゃっているから濃い味になっちゃうぐらいのほうがファンが付くのではないか...と。

素人意見でゴメンナサイ。

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