単に偉そうなだけなら案外嫌われない
偉そうな態度の人は嫌われる、という。本当か。
逆に好かれる能力に特化した「人たらし」は、特段謙虚でも控えめでもない気がする。
むしろ、ぐいぐいと他人との距離を縮めたり、思わず呆れるほど図々しい一面があったりすることも珍しくない。
それに「下々の者です」「召使です」みたいに、自分が下の立場であることを強調する(つまり「偉そう」の正反対の)姿勢でいる人が嫌われないとも限らない。
そうすると「偉そう」なのは、それ自体が嫌われる要素じゃないんだと思える。
偉そうな態度の人が嫌われるとすれば、見下しや侮りなどとセットになっている場合だろう。
『自分は偉い。だが、お前らは偉くない。だから自分のご機嫌を取り、言うことに従え』と、こんな感じの振る舞いが人を遠ざけるだけなのだ。
なので『自分は偉い。お前らも偉い。持ちつ持たれつでいこう』のような態度の人だと、偉そうに振舞っていたとしても豪快な人だとか豪放磊落な人だとか見なされて、あまり嫌な印象にならないのだと思う。
自分が偉いのが事実だとしても、自分の接する相手が偉くないということにはならず、「お互いに偉い」も十分に成立する。
みんな偉いね! でいい。